全国大会金賞 – 天理高バトン部
映画の世界観 演技で表現
天理高校バトントワリング部は昨年12月11日、千葉市の幕張メッセで開催された第49回「バトントワーリング全国大会」(主催=一般社団法人日本バトン協会)高等学校バトン編成の部に出場。2年ぶり5回目の金賞に輝いた。
地方予選を勝ち抜いた高校がバトン日本一を競う同大会。昨年、コロナ禍の影響で中止を余儀なくされ、2年ぶりの開催となった。
天理高バトン部は昨年4月、新たに9人の部員を加えて、新チームを発足し、「全国大会金賞」を目標に練習を開始した。
また、同部では“徳積み”として、練習の合間や休みの日にごみ拾いや部室の掃除をするなど、メンバー全員が自主的なひのきしんを心がけてきた。
一方、練習やミーティングの場面では上下関係を無くし、学年に関係なく意見を述べ合うことで、メンバーの絆を強めるとともに、意思統一を図ってきた。
振り付け・演技の指導は、就任5年目となる鈴木治コーチ(26歳・愛町分教会愛清布教所ようぼく・京都市)。鈴木コーチは、部員一人ひとりの技術レベルや個性に合わせて振り付けを考え、こまやかに指導している。さらに、その指導は練習に向き合う際の心構えにも及び、技術面のみならず精神面でも、部員たちの成長を促してきた(関連記事はこちら)。
こうして全国大会に向けて練習を積み重ねるなか、迎えた秋の県予選では、調整不足から練習の成果を十分発揮できなかった。
その後、部員のけがによって振り付けの変更を余儀なくされたこともあり、関西大会ではミスが目立ち、満足できる演技には程遠かった。
部員たちは全国大会に向けて、「周囲の人へ感謝の思いを忘れない」「恩返し」の二つをテーマに掲げ、心機一転、練習に打ち込んだ。
一番良い結果で「恩返し」
迎えた全国大会当日。メンバーは、野生的な衣装を身にまといステージへ。
今年の演技テーマは「Planet of the APES――猿の惑星より」。映画「猿の惑星」シリーズのストーリーを題材に、猿と人間の対立や協調の様子を、バトンや体の動きで表現した。
次々と曲調が変わるなか、部員たちは一糸乱れぬ動きと迫真の演技で、映画の場面を再現。最後は大団円を迎え、物語を見事に演じきった。
結果は金賞。2年ぶり通算5回目の受賞となった。
秋岡心花キャプテン(3年)は「自分よりも上手い仲間がたくさんいるなか、キャプテンとしてのあるべき姿に悩むこともあったが、周りの人の支えのおかげで役目を果たすことができた。一番良い結果で恩返しができて、本当に良かった」と笑顔を見せた。
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全国大会後の昨年12月18日、同テーマで臨んだ第42回「関西中学校・高等学校バトントワーリング大会」では、審査員から「物語が目に浮かぶ、完成度の高い演技」と表現力を高く評価され、金賞に加えて優秀賞を受賞。3年生にとって有終の美を飾る結果となった。