ようぼく百花 明日へChallenge – 天理高バトン部コーチ 鈴木治さん
このコーナーでは、さまざまな分野でChallengeするようぼくを紹介します。
バトン世界一が伝える「人のために尽くすこと」
天理高校バトントワリング部でコーチを務める鈴木治さん(26歳・愛町分教会愛清布教所ようぼく・京都市)は、2017年に行われた「第9回WBTFインターナショナルカップ」個人種目で優勝を果たすなど、これまで個人やチームで世界の頂点に立つ。現在も競技者として第一線で活躍する一方、後進の育成にも精力的に携わる鈴木さん。世界一の“ようぼくバトントワラー”が、天理高校生へのバトン指導を通じて思い描く“明日へのChallenge”とは――。
愛清布教所(関根清和布教所長・愛知県半田市)に住み込む両親のもとで育ち、小学2年生のとき、愛町バトン部で初めてバトンを手にした。
「踊ることが好きで、いつの間にかバトンにのめり込んでいた」
小学生のころ、全国大会に出場するなど、さまざまな大会で活躍。一方、教内行事にも多数出演し、「こどもおぢばがえり」の「おやさとパレード」では、隊列の先頭でソロ演技を披露した。
高校まで同部で技術を磨いた後、大学進学を機に京都へ。平成28年、日本バトン界の第一人者の稲垣正司氏が主催するチーム「GENESIS」の一員になり、現役選手として活動する傍ら、5年前から天理高バトン部のコーチを務めている。
布教所での経験を糧に
「布教所で育てていただいたことが、いまの自分の中で大きな財産になっている」
物心ついたころから、布教所に住み込む人たちと共に、朝づとめ前のごみ拾いなどをする中で、「人のために尽くすこと」を教えられてきた。
また、愛町バトン部でも、自分の時間を使って仲間の手助けをする先輩たちの姿を見てきた。
こうした経験を糧に“人に尽くす”という指針を胸に、天理高バトン部の部員たちを指導している。時には「いま自分が部員から恨まれてもいい」との信念のもと、あえて厳しく接することも。
「厳しい練習を乗り越えた経験が、社会へ出たときに必ず生きてくると思う。技術を教えることはもちろんだが、“人に尽くす”大切さを伝えることで、将来、立派な大人になってもらいたい」と。
現在も「GENESIS」の一員として週6回練習し、選手としても研鑽を重ねる鈴木さん。「一人の選手としての表現力も高めつつ、コーチとしても、部員の一人ひとりの人間力を磨くことに注力して指導していきたい」と話している。
◇
なお、鈴木さんは8月にイタリア・トリノで行われる「第35回WBTF世界バトントワーリング大会」でフリースタイル個人に出場する予定。
プロフィール
1995年、愛知県半田市生まれ。鈴木さんが所属する「GENESIS」は京都・滋賀を拠点に活動しているバトンチーム。世界大会で11連覇を達成し、世界的に有名なサーカス「シルク・ドゥ・ソレイユ」で活躍した経歴を持つ稲垣正司氏の指導のもと練習に励んでいる。
鈴木さんは、昨年12月に行われた「JapanCup2021」の個人部門で準優勝し、同チームのシニアバトントワリング部門優勝にも貢献した。