7年ぶり選抜大会へ – 教校学園高レスリング部
天理教校学園高校レスリング部は、3月27日から29日にかけて新潟市体育館で行われる「全国高校選抜レスリング選手権大会」に出場する。現在、同部の選手たちは、同大会に向けて練習に励んでいる。
昨年11月、奈良県予選会で9年ぶりに団体優勝を果たした同部。個人戦でも、小野旬喜選手(2年)が55キロ級、久米田忠裕選手(同)が71キロ級、小畑輝榮選手(同)が125キロ級で優勝し、黑岩香具楽キャプテン(同)が51キロ級で準優勝、大下理布選手(同)が60キロ級、妙見純平選手(同)が65キロ級でともに3位入賞。団体・個人での近畿ブロック予選会出場を決めた。
ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で近畿ブロック予選会が中止に。その後、近畿ブロックの各府県予選会の優勝校および個人戦優勝者が全国高校選抜大会へ出場することが決まった。同部の同大会への出場は7年ぶり。
未経験者を鍛え上げ
同部の選手は高校からレスリングを始めた未経験者ばかり。選手たちを全国レベルまで鍛え上げているのが、同部のコーチ陣だ。レスリングの国際審判1S級の資格を持つ同校職員の小池邦徳さん(41歳)をはじめ、OBの現役選手たちが指導に当たっている。
昨年末に開催された「天皇杯」男子グレコローマン82キロ級で準優勝した、同部OBの田中真男さん(23歳)もコーチの一人。「全国大会で格上選手との試合を経験することで、多くの刺激を受けられると思う」と話す。
昨年の県予選会以降、同部では試合中のさまざまな状況を想定した実戦練習に取り組んでいる。
田中コーチは「立ち技の技術は着実に伸びているので、ディフェンスを強化して自分たちの得意な体勢に持ち込むことができれば、全国の選手とも渡り合える」と自信をのぞかせる。
また、個人戦に出場する3選手について、「投げ技とタックルが強み。組み手からタックルにつなげられれば善戦できると思う」(小野)、「攻守にわたって能力が高く、センスがいい。相手選手に力負けせず粘り強さもあるので、技に自信を持ってプレーしてほしい」(久米田)、「柔軟性とスピードが持ち味。もつれた状態からポイントを取られることが多いので、自分に有利な試合運びをするためにも積極的に攻めていくことが必要」(小畑)とそれぞれを評し、活躍に期待を寄せる。
黑岩キャプテンは「『進』というチームスローガンのもと、昨日の自分よりも一歩でも前進できるよう、互いに支え合いながら鍛錬に励んできた。全国大会では練習してきたことを発揮し、まずは一勝を掴みたい」と意気込んでいる。
世界レスリング連盟「審判委員会」に選出
なお、教校学園高職員の小池さんは先ごろ、世界レスリング連盟の「審判委員会」のメンバーに選出された。
これにより、小池さんは今後、世界の主要大会における審判長をはじめ、審判員の選出や評価などを務める。
小池さんは「“天理レスリング”の目的の一つに『他者への献身』を掲げている。この立場においても『他者への献身』を胸に務めを果たし、天理スポーツのさらなる発展に貢献していきたい」と話した。