3年ぶり会場に笑顔 心一つに“実動の日” – 全教一斉ひのきしんデー
コロナ下、3年ぶりに会場に集まって実施した支部が多かった立教185年「全教一斉ひのきしんデー」。“実動の日”は全国的に雨模様となり、地域によっては激しい雨に見舞われたものの、各地の海岸、公園、景勝地、公共施設などでは、笑顔でひのきしんに励む教友たちの姿が見られた。
海岸の環境保全にひと役 – 宮崎・延岡支部
宮崎県東側の日向灘を望む美しい白浜が、7キロにわたって続く長浜海岸。その北側に位置する方財海浜公園(延岡市)で、宮崎教区延岡支部(野村祐輔支部長)の教友52人が海岸の清掃に取り組んだ。
平成3年、同支部は「ひのきしんの会」の名称で市のボランティア協会に登録。行政や市社会福祉協議会と連携して、台風などの自然災害で被災した家屋の復旧作業や身体障害者のサポート、福祉バザーや福祉運動会の運営に協力するなど、地域社会に根差した活動を繰り広げてきた。
また、同じ時期から支部内を四つのブロックに分け、障害児・者支援施設「ひかり学園」や延岡植物園などで毎月、支部活動を続けている。
こうしたなか、市教育委員会と連携し、県の天然記念物であるアカウミガメの有数の産卵地である長浜海岸の環境保全のため、12年前から同海岸を「デー」の会場としてきた。
今年は、コロナ下の感染拡大防止対策として、この海岸北部に位置する方財海浜公園や延岡植物園など4カ所に分かれて実施した。
午前9時45分、前夜から降り続く雨で肌寒い日和のなか、カッパや傘を持参した参加者たちは、ごみ袋を手に、海岸に漂着した流木やペットボトル、プラスチックごみなどを丹念に拾い集めた。
参加者の一人、船ヶ山奈都代さん(42歳・東臼杵分教会ようぼく・宮崎市)は子供3人を連れて参加。「多くの教友と一緒にひのきしんをさせてもらうことが、子供たちにひのきしんの態度を伝える機会にもなっている。子供たちの日常の信仰実践につながれば」と言って微笑んだ。
野村支部長(57歳・東延岡分教会長)は、「3年ぶりに会場を設けてひのきしんデーを実施し、勇んで報恩感謝の汗を流すことができた。今後も『ひのきしんの会』の活動を通じて社会貢献に努め、天理教の存在を広く認知してもらえるように働きかけていきたい」と話した。
大型連休初日に観光地で – 京都・右京支部
京都有数の観光地・嵯峨嵐山。「嵐山公園」は、春はサクラ、秋はモミジの名所として知られている。
なかでも同公園「中之島地区」は、大堰川の中州を成す島。慶長11(1606)年に京の豪商・角倉了以が現在の場所に原型を架橋したという渡月橋の南側に広がり、国内外を問わず、一年を通じて多くの旅行者らが訪れる。
京都教区右京支部(木村真次支部長)では、20年以上前から支部活動として同公園のほか、管内の病院で毎月ひのきしんを続けている。
今年の「デー」に向けては、教区報と支部報で案内したほか、管内の教会へチラシを配布。さらに、同支部のLINE公式アカウントでも広く参加を呼びかけた。
当日は雨天のため、管内5カ所の会場のうち3会場で実施。中止を余儀なくされた会場の情報は「教区・支部情報ねっと」にアップしたほか、LINE公式アカウントでも伝達するなど、迅速な情報共有に努めた。
大型連休初日となる「デー」当日。観光客が訪れる前に同公園を清掃しようと、同支部は午前7時半にひのきしんをスタート。いまにも雨が降りだしそうな曇天のなか、61人が参加し、ごみ拾いと除草を行った。
木村支部長(51歳・芦明徳分教会長)は、「昨年は緊急事態宣言下とあって中止を余儀なくされたが、今年は〝京都の名所〟をきれいにすることができて、ありがたかった。今後も常時活動を継続し、支部につながる教友たちと共に、教祖140年祭に向けて勇んで歩みを進めたい」と語った。
“大都会のオアシス”美化 – 東京・新宿支部
超高層ビル群の谷間に緑が広がる“大都会のオアシス”で教友たちが報恩感謝の汗を流す――。
東京教区新宿支部(金丸初郎支部長)では、新宿区の「新宿中央公園」でひのきしんを実施した。
月に一度、区と連携しながら同区歌舞伎町でごみ拾いをするなど、ひのきしん活動を積極的に行っている同支部。3年ぶりの実施となる同公園での「デー」に向けて、200部のチラシを作成し、『天理時報』の手配りひのきしんの際に配布した。
「デー」当日は厚い雲に覆われる天候のなか、123人の教友が参集。参加者たちは、園内の除草作業に励んだほか、ペットボトルや空き缶などを拾い集めた。
また、ひのきしんの様子を見た教外の若い夫婦が、「私たちも参加していいですか」と教友に声をかけ、飛び入り参加する場面もあった。
同公園で「デー」を実施するようになった平成21年から、区役所と折衝してきた志田雄一郎さん(54歳・本理世大教会ようぼく・新宿区)は「毎年、教友たちが園内の隅々まで清掃することに、区役所の担当者も喜んでおられる。久しぶりに実施できて、ありがたかった」と話した。
市と連携して実施 – 静岡・東伊豆支部
静岡教区東伊豆支部(長澤三郎支部長)は、10年前から市と連携して「デー」を実施。毎年夏に多くの観光客が訪れる伊東オレンジビーチ(伊東市)の清掃に努めた。
同支部では、「支部内のすべてのようぼく、信者に声がけを」という教区の打ち出しを受け、「デー」に向けて管内のようぼく・信者宅を1軒ずつ回ってチラシを配り、「デー」への参加を呼びかけてきた。
午前9時、48人の教友が参集。市から支給された軍手を着け、砂浜に打ち上げられた漂流物を拾い集め、除草作業にも勤しんだ。集めたごみは、市の収集車によって回収された。
未信仰の友人を誘って参加した髙橋三代子さん(67歳・伊東分教会ようぼく・熱海市)は「友人も楽しみながら、ごみ拾いをしてくれた」と笑顔を見せた。
施設の車いす清掃 – 愛媛・宇和島支部
愛媛教区宇和島支部(武内末博支部長)では、宇和島市の特別養護老人ホーム「光来園」で車いすの清掃を行った。
同支部は、約25年前から同施設でひのきしんを継続。以来「デー」を含む年2回、車いすや屋内の清掃、施設周辺の除草などを行っている。
当日午前9時、31人の教友たちがタワシや雑巾を手に車いすの清掃開始。細かい部分は歯ブラシを使って汚れを落とすなど、1台ずつ丁寧に磨いていった。
この日、清掃した車いすは75台。施設の職員は「天理教の皆さんが定期的に清掃してくださるおかげで、利用者の方々も気持ちよく利用できている。職員だけでは車いすの清掃にまで手が回らないので、本当に助かっている」と語った。
長年のつながり大切に – 兵庫・西浦支部
兵庫教区西浦支部(平川信矢支部長)では、淡路市の県立淡路文化会館で清掃作業に取り組んだ。
同支部は約40年前から、この施設でひのきしんを続けてきた。こうしたつながりから、「教祖130年祭ようぼくの集い」の会場や、学生会活動の宿舎として同施設を使用するなど、緊密な関係を築いている。
今年の「デー」に向けて、「教区・支部情報ねっと」の支部ページへとアクセスできるQRコードを記載した独自のチラシを作成。管内のようぼく・信者に配布し、参加を呼びかけた。
当日は激しい雨が降るなか、43人が参集。施設内の窓ふきや清掃に和気あいあいと取り組んだ。
平川支部長(71歳・神喜分教会長)は「多くの教友の真実のおかげで、お世話になっている施設をきれいにすることができた。長年のつながりを大切にしつつ、地域との連携を一層図っていきたい」と話した。