ひのきしんデー会場ルポ – 北海道・小樽支部
“北国”の公園で90年
地域活動の集大成に
「久しぶりですね。元気でしたか?」。全国的に雨となるなか、晴れ間が広がった北海道小樽市の小樽公園では、コロナ禍の影響で顔を合わせる機会の少なかった教友が再会の喜びを分かち合っていた。
◇
小樽支部(荒川善孝支部長)では、長年にをいがけやひのきしんなどを定期的に行うとともに、「デー」がスタートした昭和7年から、地域活動の集大成として同公園の清掃を続けている。
昭和50年には支部内に「小樽天理教館」を設置し、“教友の集いの場”として活用。
「全教一斉にをいがけデー」では、同館を拠点に約200人の教友が布教活動に勤しむ。
また、48年前から「こどもおぢばがえり団参」を実施。鼓笛隊も結成し、少年会活動に力を入れている。
支部内で生まれ育った加藤久枝さん(63歳・花園分教会ようぼく)は、退職を機に自宅近くのバス停でごみ拾いを続けている。「少年会員のころから支部のひのきしんに参加する中で、ごみ拾いの習慣が身に付いた」と話す。
憩いの場をきれいに
明治26年に開設された小樽公園は、市民の憩いの場として親しまれるとともに、5月後半には市の花であるツツジが咲き誇り、多くの観光客が訪れる。公園を管理する市の担当者は「天理教の小樽支部の皆さんが長年、清掃してくださって大変ありがたい」と謝辞を述べる。
午前9時半、気温11度と寒さが残るなか、136人の教友が参集。熊手やほうきなどを手に落ち葉を拾い集めた。
約70年にわたって同公園での「デー」に参加している斎藤武さん(91歳・小樽分教会教人)は、家族4世代でひのきしんに励む。神名流しなどの支部活動に欠かさず参加している斎藤さんは「これまで大きな病気やけががなかったからこそ、にをいがけやひのきしんを続けることができる。今日も教友たちが集まって、勇んでひのきしんに取り組めたことがありがたい」と喜びを語る。
10時半ごろ、用意していた約200枚のごみ袋が、拾い集めた落ち葉でいっぱいに。また、5年前から実施している献血にも30人の教友が協力した。
荒川支部長(69歳・板山分教会長)は「長年の支部活動の積み重ねがあったからこそ、コロナ下の『ひのきしんデー』に大勢の教友が集まることができたと思う。例年よりも落ち葉の量が多かったこともあって、やりがいのある一日になった」と話した。
春の“北国”で喜びの汗を流した小樽支部の教友たちは、笑顔で帰路に就いた。
文=杉田祥太郎
写真=佐藤秀春