たすけ合いの“視野”広げて – 記者がゆくVol.8 立教185年まなびば研修会編
親里で開催される研修会や講習会を記者が実地に体験し、感じたことを交えながら報告するシリーズ企画「記者がゆく」。第8回は4月26日午後から27日にかけて実施された「立教185年まなびば研修会」を、入社2年目の記者が体験受講した。
高校生が同世代の仲間と共にお道の教えにふれ、自身の信仰を育むことを目的に各教区で開かれている「高校生の集い『まなびば』」。今回の研修会は「まなびば」で実施するプログラムの進行役を務める“トレーナー”を育成するもの。
立教185年度の「まなびば」のテーマは「たすけあい」。受講した各教区の学生担当者らは、「まなびば」で行われるプログラムを模擬体験しながら、その進め方などを学んでいく。
記者は高校時代、学生会活動に参加した経験が無く、同世代の仲間と信仰について語り合う機会が少なかった。今回は、そんな自分でも“共に信仰を育む魅力”を少しでも味わえればとの思いで研修会に臨んだ。
互いに悩みを打ち明けアドバイスを送り合う
4月26日午後2時、各教区の学生担当者ら29人が第12母屋に集まった。
簡単なゲームを用いたウオーミングアップに続いて、研修会のメーンとなる育成プログラムの模擬体験がスタート。班ごとに自己紹介や意見交換したほか、班対抗で競い合う野外活動などが行われ、担当者らは、お互いの仲を深めた。
記者が特に印象深かったのが「ほっとらいん」というプログラム。これは、班員同士で困っていることや悩み事を可能な範囲で打ち明け、アドバイスし合うというもの。
まず、配布された用紙に自身の悩み事を記入する。続いて、悩みについての細かな情報を書き加えていく。この後、悩み事を記入した用紙を班員同士で交換し、それぞれの悩みに対してアドバイスを書き添えていく。最後に、班員一人ひとりが参考になったアドバイスを挙げながら、これから自身の悩みとどう向き合っていくのかを発表する――。
記者が入った班のメンバーの悩みは、身近な話題からおたすけまで多岐にわたった。
記者は、素朴な悩みではあるが、「身の周りの整理整頓ができない」と用紙に記入した。これに対し、班員からは「片づけのプロの動画を見ては」というアドバイスが。日ごろから「どうすれば片づける意識が持てるか」と考えていたが、片づけの方法を学ぶところから始めるというのは意外なアプローチだった。
班員から提案されたアドバイスを発表する場面では、記者が書き添えたアドバイスを紹介してくれた班員が数人いた。悩みの解決に少しでも役立てたことがうれしかった。
模擬体験の終盤には「今回のまなびばで体験したたすけ合いを生活の中で実践してほしい」と係員から促された。
四つの育成プログラムを模擬体験した後、各プログラムの進め方などを復習する時間が設けられ、研修会は終了した。
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記者が高校生だったころ、同世代は、自分を含めて部活動や勉強に集中していて、友人同士で悩みや本音を打ち明ける機会がほとんどなかった。
今回の体験を通じて、お道の仲間がそれぞれの悩みについて真剣に向き合い、アドバイスを送り合うことが、一人ひとりの“たすけ合いの視野”を広げることにつながると実感した。社会人になった今の自分にとっても、成人を一歩進めるきっかけになったと思う。多感な高校生ならば、より一層得るものが大きいのではと感じた。
文=吉田道孝
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