特別企画 引率者に聞く 「こどもおぢばがえり」再開から得た“気づき”
2023・8/16号を見る
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コロナ禍を経て、4年ぶりに開催された立教186年「こどもおぢばがえり」。期間中、各地から少年会員が帰参し、夏のおぢばで掛けがえのない思い出を胸に刻んだ。およそ70年続く“子供の祭典”の再開を通して得たさまざまな気づきを、引率者たちに聞いた。
家族そろって帰参を心定め
萱間俊匡さん(48歳・伊那大教会伊那眞布教所長・アメリカ)
アメリカから十数年ぶりに家族そろっての帰参を果たし、夏のおぢばで過ごすひと時を満喫した。
これまでは仕事が忙しく、なかなか家族でおぢばへ帰ることができなかった。
そんななか、コロナ禍により海外渡航が制限されたことで、頭の片隅に「いつでもおぢばへ帰れる」という安易な考えがあったことを反省した。そのうえで、必ず家族全員でおぢば帰りすることを心定めし、今回の「こどもおぢばがえり」ではアメリカ・カナダ団の団参に参加した。
子供たちは、久しぶりに再会した仲間と共に喜びを分かち合っていた。夏のおぢばで教えにふれてくれたことが、とても有り難く、貴重な時間に思えた。
これからも、おぢばに心をつなぐとともに、子供たちに信仰の喜びを伝え、一人でも多くの人に、たすけの手を差し伸べられるようぼくに育つよう導いていきたい。
おぢばで育む“素直な心”
木曽成子さん(76歳・神紀京分教会紀京布教所長・京都府亀岡市)
団参を続けて半世紀。今回も、布教所で開いている学習塾と書道塾の生徒たちを連れて参加しました。
参加する子供のほとんどが、お道のことを何も知りません。それでも皆、神様のお話に真剣に耳を傾け、おつとめ練習も一生懸命に取り組んでいました。また、普段はおとなしい子がたくさん話しかけてくるなど、塾だけでは分からない子供たちの一面も見ることができました。
こうした姿は、親神様・教祖のおひざ元ならではだと思います。「こどもおぢばがえり」は、子供たちの素直な心を育むうえで欠かせない行事だと、あらためて実感しました。
4年ぶりとあって心配もありましたが、おぢばで過ごした子供たちが「また来年も!」と喜ぶ姿を見て、私自身も大きな勇みを頂きました。
子供たちの心を一つにする場
岩渕知恵さん(41歳・津輕大教会教人・青森県弘前市)
3泊4日の体験は、子供たちにとって、とても新鮮。久しぶりの団参とあって、初めは様子をうかがうようにしていた子供たちも、行事会場を回り、寝食を共にする中で、次第に打ち解けていきました。
また、今年3月から津輕団津輕鼓笛隊の活動を再開し、念願の「鼓笛お供演奏」に出演。一手一つに演奏・演技を披露し、練習の成果を存分に発揮することができました。隊員たちがおぢばで絆を強めていく姿を目の当たりにし、特別な体験が子供たちの心を一つにするのだと再認識しました。
子供たちが将来大きくなったときに、今度は彼らが少年会活動を担う人材へと育つよう、来年も青森の地から、一人でも多くの子供たちをおぢばへお連れしたいと思います。
一人でも多く教祖の元へ
荒木次夫さん(67歳・丹鶴分教会長・京都府舞鶴市)
コロナ禍以降、教会での育成活動が思うようにできなくなったことから、今年の団参を実施するかどうか悩んだ。しかし、子供たちがおぢばへ帰って来るのを、教祖は心待ちにしておられるに違いないと思い直し、一人でも多くの子供たちと帰参する心を定めた。
そこで、4年前に参加した家庭に声をかけたところ、当時、小学校低学年だった子供たちが小学校の友達を誘い、当日は62人の子供を含む計72人で、親神様・教祖に帰参のごあいさつをすることができた。仕事を休んで引率を引き受けてくれた育成会員の方々には、感謝してもしきれない。
「こどもおぢばがえり」に参加した子供たちが、これから教会につながるように働きかけていくとともに、来年も、一人でも多く教祖の元へ連れ帰ることができるよう努めたい。
再び帰る日を楽しみに
淺井洋昭さん(50歳・廣龍分教会長後継者・台湾)
現在、台湾団鼓笛隊の指導に携わっている。今年は15人の少年会員と共に、鼓笛隊として4年ぶりとなるおぢば帰りを果たすことができた。
台湾団鼓笛隊では、これまで月に一度の鼓笛練習を続けてきた。コロナ禍になってからは練習の中止を余儀なくされたが、昨年10月から再開した。
台湾の子供たちにとって、おぢばへ帰るのは容易ではない。しかし、親里の土を一度でも踏むと、皆おぢばを好きになり、台湾に戻ってからも、再びおぢばへ帰る日を楽しみにしながら鼓笛隊の活動に参加する。いまスタッフを務める育成会員も、そうして大きくなった子がほとんどだ。
今回の団参を通じて、台湾の道の後継者育成のうえで、いかに「こどもおぢばがえり」が大きな役割を担っていたのかを再認識した。来年は、一人でも多くの少年会員を連れて、おぢばへ帰らせていただきたい。