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このたびのなやむところハつらかろふ
あとのところのたのしみをみよ
「おふでさき」九号36
ボタンクサギ
夏休みの終盤、小学1年生の娘を連れて山登りに出かけました。
娘にとって初めての登山。不安もあったようですが、いざ登るときには、まるで冒険に繰り出すようなワクワクした表情に変わっていました。
涼やかな滝の音、森林のすがすがしい香り……。山の中で大きく深呼吸すると、自然の気が体中に染みわたる感じを覚えます。こうして足取り軽く、会話を弾ませながら登り始めたのですが、急な上り下りが続いて疲れたのでしょう、娘がしゃがみ込む場面がありました。そのとき、こんな言葉を口にしたのです。
「もう限界、感謝できない!」
一瞬何を言い出すのかと思いましたが、よく聞いてみると、体が思うように動かず、親神様のお働きに感謝するどころか、つらくなってきたとのこと。どうやら、筆者が登山前に何げなく「かりものの体に感謝して歩こう」と言った言葉を、娘なりに守ろうとしていたようです。いじらしさのあまり、ギュッと抱きしめたい気持ちになりました。
こんなとき教祖だったら、どのように励ましてくださるのでしょう。きっと、明るく前向きになれる温かいお言葉をかけてくださるに違いありません。
登ること1時間。頂上に着くと、眼下に広がる景色をうれしそうに見渡す娘の姿がありました。充実感あふれる、楽しいひと夏の冒険になったようです。
(大西)