生成AIの時代に思う – 視点
2023・9/13を見る
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今年の夏休み、小中学生の「宿題」について、昨年までは耳目にしなかった事柄が話題になった。「生成AI」を使った「読書感想文」についてだ。
生成AIとは音楽や映像、文章などの創造的な作品を生み出せる人工知能で、その一つに、アメリカ企業が開発し2022年11月に発表した「ChatGPT」がある。世界中で急速に活用が広まるこの人工知能は、過去にインターネットで公開された膨大な情報を学習させ、それをもとに人間同様の自然な文章を作り出せる対話型ソフトで、誰もが手軽に利用できる。
たとえば「小説『○○○』について」「小学6年生が書く」「主人公の友達の気持ちを想像して」「1,600字の文章を考えて」などと質問すると、それに見合った回答が得られる。ある国内の会社が読書感想文用の見本質問を公開しているが、回答文章は驚くほどの完成度だ。
読書感想文へのAI利用について親が語り合うネット上のページを見ると、「本を読む習慣を付ける」「自分の考えをまとめる」ためなどの宿題だから、AIは利用させたくないとの意見が大半だった。一方で「将来AI活用は最低限のスキルになる。使いこなせるように利用させる」「適切な質問ができなければ良い回答は得られない。それが勉強になる」という意見もあった。AI利用についてはルール整備が必要だが、将来的に広く普及することは間違いないだろう。
ところで、「ChatGPT」に代表される生成AIは、過去の情報を機械的に学習して文章を生み出している。その情報が間違っていて量が多ければ、回答に少なからず影響を及ぼすだろう。
私たちは、親神様の御教えを末代かけて正しく伝えていかなければならない。将来の人がAIを用いてお道の教えにふれる折に、間違いのないよう理解してもらうには、正しい情報をしっかり発信し蓄積させることが大切だ。ようぼく一人ひとりが教えを正しく心に治め、表現し発信するよう、自覚を深めておきたい。
(松村登)