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このよふにかまいつきものばけものも
かならすあるとさらにをもうな
「おふでさき」十四号16
インフルエンザが大流行しているさなか、わが家でも長男、次男、そして筆者が相次いで罹患してしまいました。幸い皆、数日で回復したものの、小学校の学級閉鎖が1週間に延長され、子供たちは暇を持て余した様子です。
そんな折、妻が「薬局で買い物をしたら、こんな物を頂いたよ」と持ち帰ったのが、節分用の豆と、鬼の塗り絵が印刷されたペーパークラフトでした。早速、子供たちと一緒にオリジナルのお面作りに取りかかりました。
自然災害や飢饉など、人知を超えた災厄が鬼や魔物の仕業と考えられていた当時、家の中に隠れた鬼を追い払うことで福を呼び込もうとする豆まきは、人々にとって大切な年中行事の一つであり、現代でいうところの新型コロナウイルスやインフルエンザといった流行り病も、鬼の所業に含まれていたことでしょう。それらによって生じる世上の混乱や人々の諍いも含めて災厄と捉えれば、見えない鬼を追い払うキーポイントの一つは、やはり私たち一人ひとりの心づかいにあると悟ることができます。
筆者がイメージする鬼の姿といえば、せいぜい赤鬼か青鬼くらいのものですが、子供たちが描き出す形相は実にカラフルで、それぞれユニークなお面に仕上がりました。運気を呼び込むことも大切ですが、まずは年頭に立てた目標をしっかり見据えて、鬼に笑われないよう一歩ずつ前進していきたいものです。
(榊)