年祭活動に動きだすきっかけになればと – 記者がゆく Vol.10「にをいがけオンラインミーティング」編
2024・2/14号を見る
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親里で開催される行事を記者が実地に体験し、感じたことを交えながら報告するシリーズ企画「記者がゆく」。第10回は、1月31日に実施された第2回「にをいがけオンラインミーティング」を、入社3年目の記者が体験取材した。
2023年末に新たにスタートした「にをいがけオンラインミーティング」(主催=布教部)は、オンライン上でつながり合った全国の教友が一斉ににをいがけに歩くことで、教祖140年祭に向けて一層勇んで布教実動に取り組めるようにと考案されたもの。
8年前におさづけの理を拝戴した記者は現在、ようぼくとして初めての三年千日を歩んでいる。昨年を振り返ると、取材や執筆作業に追われる中で、なかなかにをいがけに取り組めなかった。そうした反省も込めて、今回は何かしら動きだすきっかけを見つけて年祭活動2年目に巻き返しを図りたいと、同ミーティングに参加した。
〝熱心さ〟を忘れず
午前9時すぎ、参加者たちがZoomアプリのパソコン画面に続々と集まってきた。やや緊張しながら、開始時間を待つ。
ミーティングは、冨松基成・布教二課長の「ひとこと話」でスタート。布教に歩く際の心構えに話が及ぶなか、「にをいがけが上手にできることに越したことはないが、それよりも、熱心さをもって取り組むことが大切」という言葉が印象に残った。
ふと自身の姿勢に思いが至る。はっきり言って、にをいがけ、特に戸別訪問は苦手だ。口下手で自分の思いを相手にうまく伝えられないうえ、訪問先で断られるたびに「迷惑をかけているのでは……」との思いを募らせ、インターホンを押すのをためらってしまうのだ。心のどこかで「にをいがけを上手にしなければ」という先入観があったのだろう。
そんなことを考えているうちに、ミーティングは、次の「にをいがけ実動」へ。ここでは、参加者がいったんZoomから退出し、各自が周辺地域でにをいがけを行う。やや不安もあったが、「とにかく“熱心さ”を忘れずにやってみよう」と気持ちを切り替え、天理市内で戸別訪問に歩いた。
「こんにちは、天理教を信仰する者です」。1軒目は、すげなく断られた。それでも自身を叱咤しつつ、リーフレットを手に次の家へ。「下手でもいい。精いっぱいやればいいんだ」と思うと、不思議と心が軽くなる。結局、この日はお話を取り次ぐ機会に恵まれなかったものの、45分の実動時間で15軒を訪問した。帰り際、不思議な高揚感を覚えた。
教祖のお供をして
10時50分、にをいがけを終えた参加者が再びオンライン上に集合。この後、6人ごとの班に分かれての「ふりかえり」が始まった。
ここでは、実動の報告とともに、思い思いに感想を述べ合う。駅前でリーフレット配りをしたAさんは、いつも一人ひとりに深く丁寧に頭を下げて手渡すようにしているという。その話を聞きながら、思い通りにならないことがあると腹を立てがちな記者は、教えを伝えるには、普段の生活から“低い心”で通る必要があると感じた。
続いて、各自が日ごろ取り組んでいる布教活動について、情報を共有する時間が持たれた。「どんなに仕事が忙しくても、毎月1回はにをいがけに歩いている」など、参加者たちの熱心な話を聞くうちに、己の未熟さを痛感する。「にをいがけに積極的に取り組むうえでの原動力は何か?」。疑問に感じた記者は、思いきって質問してみた。
すると、参加者の一人が「つらいと感じることがあっても、『常に教祖がついていてくださる』と信じて回らせてもらっている」と答えてくださった。自分一人ではなく、どんなときも教祖のお供をして歩く――。そう思うと、にをいがけへの“心のハードル”が少し下がったように感じた。
◇
“布教師”を名乗るにはほど遠い記者だが、これから年祭活動を歩むうえでの新たな気づきが得られたように思う。あと2年、まだ時間はある。教祖にお喜びいただけるよう、“低い心”を忘れず、これから自分にできるにをいがけに精いっぱい取り組んでいきたい。
文=久保加津真
にをいがけオンラインミーティングは三年千日の間、毎月実施される予定。申し込みは下記布教部ホームページから。
https://fukyo.tenrikyo.or.jp/