おやのことば・おやのこころ(2022年6月8日)
ほこりさいすきやかはろた事ならば
「おふでさき」三号98
あとハめづらしたすけするぞや
縁あって、生後1年になる小型犬を飼うことになりました。そのときは分からなかったのですが、実は妊娠しており、思いがけず犬の出産を目の当たりにすることになったのです。
私たち家族に見守られ、無事に4匹の仔犬が生まれました。初めて子を産む親犬は、誰に教えられたわけでもなく、仔犬が包まれていた羊膜を一匹ずつ丁寧に剥がし、へその緒を嚙み切り、最後に出てきた胎盤まできれいに食べました。よどみない一連の動きに驚くとともに、これは魂に刻み込まれている生まれ持った本能なのだと、感嘆の声を上げました。
犬の出産に感動するなか、私たち人間にも魂に刻み込まれている大切な本能があることを思い出しました。私たちは、互いに立て合いたすけ合い、周りの人々と共に喜び、共に楽しむ陽気ぐらしができるよう、親神様によって創られているとお聞かせいただきます。それなのに、いまだ頻発する戦争や紛争、傷つけ合い等々、陽気ぐらしには、ほど遠い現実が見られます。私たちは心の自由を許されるがわれゆえに、我さえ良くば今さえ良くばといった、わが身勝手な悪しき心づかいによって生来の澄んだ心を濁らせ、かくして陽気ぐらしから遠ざかるような姿を見せられているのです。
一人ひとりが悪しき心を払い、御教え通りに歩むことができれば、澄んだ心がよみがえります。争うこともなくなり、親神様が望まれる陽気ぐらしに近づいていくことでしょう。
(中田)