天理時報オンライン

大らかに子供を見守り安心感を与える笑顔を


「ぼちぼちいこか」。昨年10月に亡くなった天理高校野球部の橋本武徳前監督が、甲子園で劣勢だった試合の終盤に、選手にかけた言葉です。試合は逆転勝利となり、この大会で天理高校は二度目の日本一に輝きました。

橋本監督が目指した野球とは、選手が自発的に技術や体力を身につけ、試合では笑顔で実力が発揮できるようにするというもの。初優勝したときの主将で、現在は部を率いる中村良二監督も、恩師の教えを受け継ぎ、選手の自主性を大切にしています。

5年前の夏、指揮官として初めて甲子園に臨む中村監督に、橋本前監督は「おまえが笑っていたら勝てるわ」と冗談交じりに言って、帽子のつばの裏に「笑」と書いたといいます。

今年の春も天理高校野球部は、甲子園で監督の笑顔のもと、持てる力を存分に発揮しました。この両監督の指導法は、子育てにも通じるでしょう。子供を信じて大らかに見守り、どんと構えて安心感を与えるような笑顔を心がけたいものです。