天理時報オンライン

「ようこそおかえり」の文字を天理の街でよく目にしますが… – 身近で聞いた素朴な問いにWAKUさんがお答えします


イラスト/なんばなつこ

天理教教会本部に初めて参拝した人が、「天理駅のホームや天理本通りのアーケードに『ようこそおかえり』と掲げられています。何か温かい感じがして、いいですね」と言っています。

あれは、天理教信者だけに言っているのではなく、ここを訪れるすべての人に「おかえりなさい」と呼びかけているのです。あなたもぜひ、心の中で「ただいまかえりました」と答えてみてください。

教会本部の神殿中央の地点を「ぢば」と言います。親なる神様によって人間が創造された元の場所であり、世界中の人間の〝魂のふるさと〟です。ぢばには、その証拠として「かんろだい」という台が据えられ、礼拝の目標となっています。

そこに、私たち人間の親である、親神天理王命がお鎮まりくださっています。また、親神様の教えをお伝えくださった教祖が、いまも存命でおいでくださり、皆が帰ってくるのを心待ちにしておられるのです。

ぢばを中心とする一帯は「親里」と呼びならわされ、親里ぢばに帰ることを「おぢばがえり」と言います。

人口の流動化がいわれて久しいですね。生まれた土地と育った街、いま住んでいる場所が違うという人も少なくないでしょう。また、両親が亡くなって自分たちが父母、祖父母となり、もはや帰るところは無いと、故郷を失った悲しみを抱えている人もいると思います。けれど、すべての人がつながる元の故郷があり、そこに、親神様はおいでくださるのです。

世界中の人がおぢばがえりをして、互いに仲睦まじくたすけ合う「陽気ぐらし」の世を望まれる親神様の思召にふれていただきたい。「待っていた、待っていた」とお迎えくださる存命の教祖に、喜びも悲しみも打ち明け、その親心にすがってもらえればと思います。


西村和久(天理教一筋分教会長)