ちょっと学べる!! 天理図書館の文学ナビ
“やまとのふみくら”の愛称で知られる、蔵書数約150万冊の「天理図書館」。その貴重な蔵書の中から一冊を取り上げ、ちょっと学べる文学知識を紹介するインターネット番組「天理図書館の文学ナビ」が、天理教ホームページ内の「WEB動画」とYouTubeで配信されています。
現在、13作品を公開中。その一部を紹介します。
本居宣長の『古事記伝』
「古事記伝」は、江戸時代の幕末に書き上げられた古事記の最初の注釈書。作者である国学者・本居宣長は、古事記を繙くことで日本人本来の心を見いだすことができると考え、35年の歳月をかけて古事記を読み解き、誰でも読める注釈書として、読み方を振り、解説を付けて、全44巻の「古事記伝」にまとめ上げました。その業績は、現代の古事記研究の礎となっています。天理図書館には、国の重要文化財である「古事記 道果本」も所蔵されています。
『新古今和歌集』
鎌倉時代初期に作られた「新古今和歌集」は、他の勅撰和歌集と比べ、上皇自身が編纂に大きく関わっているのが特徴。3歳で天皇、19歳で上皇となった後鳥羽院は、和歌に没頭し、藤原定家などの歌人を集めて新古今和歌集を作らせましたが、一応の完成を見た後も、何度も改訂を続けました。天理図書館所蔵の「新古今和歌集 烏丸本」(重要文化財)は、承久の乱によって流罪となった後鳥羽院が、隠岐島で編纂を続けた様子を伝えているといわれています。
紫式部の『源氏物語』
平安時代中期に書かれた「源氏物語」全54巻は、光源氏と女性の愛の物語を中心とした内容。日本文学の最高傑作ともいわれ、のちの時代の文学のみならず、音楽や絵画など幅広い分野に大きな影響を与えてきました。さまざまな写本が残されており、天理図書館にも、美しい緞子織の表紙で豪華な蒔絵の箱に収められた国冬本や、鎌倉期の写本としては最も多くの巻を収めた池田本(重要文化財)、また源氏物語絵巻(重要美術品)などが所蔵されています。
天理図書館の文学ナビ
天理教ホームページ「WEB動画」
第1回「古事記伝」
第2回「エジプト誌」
第3回「解体新書」
第4回「たけくらべ」
第5回「南総里見八犬伝」
第6・7回「新古今和歌集」
第8回「東方見聞録」
第9回「平家物語」
第10・11回「源氏物語」
第12回「大鏡」
第13回「明月記」