全日本コンクール初の頂点「文部科学大臣賞」に輝く – 天理大創作ダンス部
天理大学創作ダンス部(塚本順子部長)は、8月10日から13日にかけて神戸市の「神戸文化ホール」で開催された第34回「全日本高校・大学ダンスフェスティバル」創作コンクール部門(大学の部)に出場。1位に相当する「文部科学大臣賞」を初受賞した。
全国の高校・大学のダンス部と有志グループなどが参加する同大会。国内唯一の創作ダンスの全国大会として「ダンスの甲子園」とも称されている。
同部は、昭和44年に創作舞踊同好会として発足し、59年に部へ昇格。これまで同大会をはじめ、さまざまなコンクールや舞台で、個性豊かな演技を披露してきた。
平成29、30の両年に出場した同大会では、「特別賞」を2年連続受賞。昨年には2位相当である「NHK賞」を受賞した。
強く生きるさまを表現
今回、同大会で披露する作品づくりのうえで、画家のアンリ・ルソーの『戦争』に着目。絵画で表現されている狂気や欲望について、部員全員で話し合いながら作品のイメージを作り上げてきた。
また今年から、練習メニューにイメージトレーニングを追加。これは、コロナ禍の影響でマスクを着けたままでの練習を余儀なくされたことから、体への負担を最小限に抑えるために考え出されたもの。
塚本部長(56歳・同大体育学部教授)は「今年の練習期間は、体調管理との闘いだった」と振り返る。
迎えた大会当日、部員全員がそろって出場した「創作コンクール部門」。今年は26校がエントリーするなか、同部は「正気と狂気の狭間で――アンリ・ルソー『戦争』を見つめて」と題してダンス作品を披露し、狂気に抗い、強く生きていくさまを感情豊かに表現。その結果、「文部科学大臣賞」を受賞し、創設初の頂点に輝いた。
髙野琴葉キャプテン(4年)は「『応援してもらえるチームであり続けたい』との部の目標のもと、先輩・後輩関係なくコミュニケーションを積極的に取ること、そして、常に謙虚な気持ちを持ち続けることを意識した。後輩たちには、これからも謙虚さを忘れず、一つひとつの舞台を全力で楽しんでほしい」と話した。
また、同大会の同部を含めた受賞作品が、3日午後3時から、NHKEテレ「第34回全日本高校・大学ダンスフェスティバル」で放送される。(8月31日記)
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なお、同部は12月10日、奈良市のなら100年会館で単独公演を開催する予定。問い合わせは天理大学創作ダンス部へ。