大祭前夜歌声高らか -「おうた演奏会」
「立教185年おうた演奏会」(主催=天理教音楽研究会)は10月25日夜、おやさとやかた東右第1棟4階講堂で開催された。今回は、感染対策として人数制限を行う一方で、3年ぶりに合唱を実施。大祭前夜、会場に詰めかけた帰参者は、教友による合唱とオーケストラの演奏を楽しんだ。
「おうた」は、「おふでさき」に曲をつけて歌うことで原典に親しむとともに、演奏を通じて、お道の教えを広く伝えていくことを目的に制作されている。
山田耕筰氏や團伊玖磨氏など、日本を代表する作曲家らの手によって、これまで19曲が作られた。
同演奏会は、「おうた」制作の趣旨に則り、音楽を通じて親神様の思召をより深く求めるとともに、にをいがけの一助になることを目指して開かれているもの。
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この日、音楽研究会合唱団をはじめ、各教区の合唱団や天理高校合唱部ら64人と、同研究会オーケストラ80人の総勢144人がステージに立った。
舞台は、おうた1番『やまさかや』(永井幸次作曲)で幕開け。上田真紀郎氏のタクトに合わせ、合唱団の透き通った歌声が会場に響きわたる。続いて、同10番『よふきづくめに』(松田元雄作曲)が披露された。
さらに、同2番交響詩『おやさま』より第2楽章「陽気つとめ」(山田耕筰作曲)では、夜明け前の神苑をイメージさせる重厚な管楽器のメロディーに続いて、「みかぐらうた」を主題とする旋律をオーケストラが伸びやかに奏でた。
この後、同12番交声曲『ひながたの道』より第5章「存命の守護」(團伊玖磨作曲)では、安野英之氏が指揮を担当。合唱団のメンバーは「ひながたの道は嬉しや 道は楽しや」の歌詞に込められた、教祖への感謝の思いと、道を歩む者の喜びを情感豊かに歌い上げた。
演奏会の最後は、同7番『心つくしたものだね』(同)。「にち/\に心つくしたものだねを 神がたしかにうけとりている」(おふでさき号外)のお歌に合わせ、親しみやすい旋律と澄んだ歌声が会場を包み込む。
一瞬の静寂の後、聴衆から万雷の拍手が湧き起こった。