記録的な梅雨入りに思う – 視点
今年は各地で記録的に早い梅雨入りを迎えている。四国と近畿は平年より3週間早く、1951年の統計開始以来、最も早かった。内閣府が発信している「政府広報オンライン」は、5月11日に「水防」についての注意喚起を行った。
水害の発生は6月〜7月の梅雨の時期と、8月〜9月の台風シーズンに集中する。ここ数年は「ゲリラ豪雨」が毎年発生している。オンラインによると、全国の1,741市区町村のうち、平成21年から30年までの10年間に一度も河川の氾濫などによる水害が起きていないのは48市区町村(約3㌫)しかないという。残りの1,693市区町村(約97㌫)では、10年間に1回以上の水害が起きており、さらに半数以上の986市区町村(約57㌫)では、10年間に10回以上発生していると記されている。
オンラインでは、そのような現実を意識して「自分の身は自分で守る」ことが災害時の心得と説く。
具体的には、各自が事前に①自治体が提供する「水害ハザードマップ」を確認し、自宅周辺の危険について知る ②安全な避難場所とそこまでの安全な経路、避難方法を確認する ③非常時の持ち出し品を準備する ④家族との連絡方法を確認する――ことを推奨し、避難時の行動の仕方や注意点を挙げている。
私たちお道の信仰者も、親神様からのかりものであるお互いの身体、そして大切な命を守るうえで、これら諸点に日ごろから留意したいと思う。
本教では、明治24(1891)年の濃尾大地震での救援活動以来、組織的に災害救援を行ってきた。そして、各地の教区隊の結成が相次ぐ中で、「天理教災害救援ひのきしん隊(災救隊)」として正式発足して今年で50年になる。
昭和51年に行われた災救隊の「結成五周年記念大会」で中山善衞・三代真柱様は、隊員に向けて「災害がくるのを待ってひのきしん活動をするのではなくて、災害を頂かなくても済むように、そのためには、親神様の思召を素直に受けて、与えられた日々に、喜んで思召にふさわしい道を実践するような、いわゆるひのきしん活動の先達となって動いて頂きたい」と訓示された。
災救隊結成から半世紀の節目に、あらためて、この精神を胸に治めたい。
(和)