サーカス公演をライブ配信 – アメリカの吉川泰昭さん
コロナ禍で面会が制限された施設に笑顔を届けたい――。天理市出身の吉川泰昭さん(42歳・教会本部ようぼく)がプロデュースする「OnlineCircus Japan Festival」(主催「OnlineCircus」)が6月6日、日本と米国ラスベガスからライブ配信された。
吉川さんは、ラスベガスを拠点にラート(平行に固定した直径約2メートルの鉄製リング2本の中に入り、バランスを取りながら回転させて演技する競技)とシルホイール(一輪のラート)のパフォーマーとして活躍。また、世界へ羽ばたく日本人パフォーマーをサポートすることを目的とした“学び”のコミュニティー「OnlineCircus」の代表も務める。
「人に尽くす喜び」オンラインで広げ
昨年、新型コロナウイルスの感染拡大により、劇場の休演やイベントの中止が相次いだ。
こうしたなか、吉川さんは「『私たちのパフォーマンスを必要としている人が絶対にいるはず』との思いで活動の場を模索した末、たどり着いたのが、オンラインによるサーカスショーだった」と話す。
父・萬太郎さんと交わした「人のために尽くす喜びを広げる人に」との約束を果たそうと、パフォーマーとして活動してきた吉川さん。「OnlineCircus Japan Festival」の開催に向けては、クラウドファンディングを利用してショーを企画。「『ギフト』でつながるオンラインサーカス」をテーマに掲げ、支援者が自らのチケットのほかに、コロナ禍で人との面会が制限されている各施設や、普段会うことができない“大切な人”にペアチケットを贈ることができるようにした。
「『おまえの一番のファンは、いつでもお母さんと私だ』という父の後押しのおかげで、どんなに苦しいときも乗り越えられた。不安な日々が続く中で、父との約束を果たすにはどうすればいいかと考え、思いついたのが『ギフト』でつながるオンラインサーカスだった」
4月末にスタートしたクラウドファンディングには、約1カ月間で、307人から目標を超える金額が寄せられた。
同Festivalは、10組の日本人パフォーマーによるコンペティションと、「OnlineCircus」のメンバーによるサーカスイベントの2部構成。当日正午から約4時間にわたり、趣向を凝らしたパフォーマンスショーが国内44の施設・団体へ生中継で配信された。
吉川さんは「まずは無事に開催できたことを、親神様・教祖にお礼申し上げている。また、支援者の方々への感謝の思いは言葉にできないものがある。今回のつながりを生かして、今後は病院や施設で生活する人たちに笑顔を届けることを目的に『クリニックサーカス』を立ち上げ、さらなるチャレンジを続けていきたい」と話している。