州政府公認サイトで紹介 – ハワイ天理文庫
常夏の島の“憩いの図書館”
ハワイ伝道庁(山中修吾庁長)付属天理文化センター内の「ハワイ天理文庫」は先ごろ、ハワイ観光局が日本人向けの情報を発信しているWEBサイトで紹介された。同文庫は、常夏の島で日本文化に関わる人々にとっての“憩いの場”として高い評価を得ている。
ハワイ天理文庫は1980年、ホノルル市ヌアヌアベニューの天理文化センター内に開設。海外布教伝道部(当時)と天理図書館の協力で、日本関連の書物など20,000冊の蔵書をもってオープンした。
98年には、直木賞作家の陳舜臣氏が自著110冊を寄贈。ハワイに数ある日系図書館の中から天理文庫を選んだ理由について、選定に携わった関係者は「蔵書30,000冊を擁し、一般にも広く公開・利用されている天理文庫が最適」と評した。
近年も毎月150〜200冊の寄贈があり、現在の蔵書数は50,000冊を超える(詳細はこちらから、本紙の過去記事を参照)。
昨今のコロナ禍の影響により、ハワイを訪れる観光客が激減。こうした中も、同文庫には毎月延べ450人ほどが来館し、新規会員の申し込みも増えているという。
お道への理解深まる
このたび、同文庫が紹介されたのは、約20,000人のフォロワーを持つ、ハワイ州政府公認のWEBサイト「LaniLani ハワイの観光情報」。ハワイ州観光局(HAWAII TOURISM JAPAN)の職員が同文庫の会員だったことから、企画として取り上げられたという。
5月19日掲載のコラムのタイトルは「ハワイが舞台の小説も読める! ハワイの日本語図書館『天理文庫』で過ごす贅沢な時間」。利用者である執筆者の視点で天理文庫の特徴を紹介しており、「宗教や国籍など関係なく、全ての人を優しく受け入れてくれます」「外にある木陰の席は、自然の中の鳥たちの鳴き声や風の音に癒やされ、心地よく読書を楽しむのには最高の場所です。これぞ、まさしく『ハワイで過ごす贅沢な時間』です!」などと、実感した魅力にもふれられている。
館長の美馬孝俊さん(74歳・越乃國ハワイ教会長・天理文化センター委員長)は「利用者のほとんどは未信仰の人で、領事館関係者、他宗教の人、ビジネス関係など、さまざまな立場の方が来館される。その中から、伝道庁主催のバザーやひのきしん活動に参加する人も出てきており、長年の文庫活動によって、お道への理解が深まっているという実感がある」と語る。
同文庫では、司書の岡田法夫さん(72歳・島ヶ原ハワイ布教所長・天理文化センター職員)と、夫人のレナさん(70歳・同夫人)が来館者を迎える。美馬館長は、岡田夫妻について「いつもアロハ・スピリット(互いに愛し合い、尊重し合う精神)で、来館者に対応している。その信頼感から個人的な身上・事情の相談もあると聞く。昨今のコロナ禍においても“憩いの場”を求める人たちの利用が増えているようだ」と話す。
https://www.lanilanihawaii.com/column/hawaii-weekend_withmylittleohana/tenri-bunko-library.html
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岡田さんは「高齢者の利用が多いが、インターネットやラジオで取り上げられたおかげで、近年は若い会員も増えている。子育て中の母親が、子供の日本語教育のために絵本や漫画本を求めて来館するケースも少なくない。これからも地道に文化活動を継続していきたい」と話した。
(ハワイ・美馬社友情報提供)