全日本遠的大会「全射皆中」個人でV – 天理大弓道部 下司皓太選手
天理大学弓道部の下司皓太選手(2年=写真)は先ごろ、愛知県武道館で行われた第52回「全日本学生弓道選手権大会(インカレ)」に出場。「遠的」個人戦で予選・決勝ともに、すべての矢を的に命中させ、同部の選手として5年ぶりの優勝に輝いた。
小・中学生のころは野球に打ち込んでいた下司選手。高校進学後、兄の影響で弓道を始めた。「基本の型に忠実に」をモットーに練習を重ね、高校3年時の「国民体育大会」弓道競技団体では、主力メンバーとして活躍し、チームの8位入賞に貢献した。
その後、関西学生弓道1部リーグに属する天理大学へ進んだ。
サドンデス方式の決勝制し
「全日本学生弓道選手権大会」では、大学弓道のメーンとなる「近的」団体・個人戦と、60メートル先の直径1メートルの的を射抜く「遠的」個人戦が行われる。
インカレに向けて、同部の選手たちは基本に立ち返るため、鏡を見ながら入念に動作を確認。大会の2週間前からは、同大馬術部の馬場を借りて遠的の試合会場を想定した練習を行った。
大会当日、「遠的」個人戦の1次予選で、下司選手は2本とも的の中心に命中。続く2次予選も落ち着いて射抜いた。
決勝は、的を外した時点で脱落が決まる「射詰」と呼ばれるサドンデス方式で競われる。5本目を終えた時点で射場に残ったのは、下司選手を含め3人となった。
6本目からは的の大きさがひと回り小さい80センチのものに替わる。最初に射るのは下司選手と相手選手のうちの一人。同時に放たれた矢が弧を描きながら的へ向かうと、2本のうち下司選手の矢のみが命中。この後、残る一人の選手が射た矢が的を外したため、下司選手の優勝が決定した。
下司選手は今大会、予選を含む全射皆中を達成。自身初の全国優勝に輝き、同部の選手として5年ぶりに遠的大会優勝を果たした。
下司選手は「的を意識し過ぎて力まないよう、練習通りのペースを保って試合に臨めたことが大きかった。今後は、秋季リーグ後の『東西学生弓道選抜対抗試合』への出場を目標に、さらに精進を重ねたい」と話した。