天理時報オンライン

病気の回復を願うお祈りとは? – 身近で聞いた素朴な問いに WAKUさんがお答えします


イラスト/なんばなつこ

「父がよく『子供のころ、天理へ連れていってもらったことがある。そのとき喘息の発作が出たけれど、拝んでもらったら治まった』と話しています。それは、どんなお祈りですか?」と、訪問先で尋ねられました。

お父さんはきっと、天理教の教会から誘われて、夏休みに天理で行われる「こどもおぢばがえり」という行事に参加されたのでしょう。そのときのことを覚えておられるのですね。

拝んでもらったと言われるそのお祈りは、引率の方が、病む人の回復のご守護を願う「おさづけ」を取り次がれたのだと思います。

人間創造の元の地である「おぢば」で、「別席」という神様のお話を9回聴いて、心を澄まして願い出るところに、尊い「おさづけの理」をお授けくださいます。この「おさづけの理」を戴いた人が、どうでもたすかってもらいたいという誠真実の心で、病で苦しむ人にこの理を取り次ぎ、回復を願うのです。

けれども、取り次ぐ人に不思議な力があるわけではありません。親神様が、取り次ぐ人と取り次がれる人の心の真実を受け取って、どのような不思議なたすけも現してくださるのだと教えられます。ですから「おさづけ」は、自分自身に取り次ぐことはできません。人間は、たすけ合うように創られているのです。

引率の方は、お預かりした子供の急な病状を、なんとかたすけていただきたいと、真剣に祈られたことでしょう。あなたのお父さんも、素直に信じて「おさづけ」を受けられたのではないでしょうか。

また、同行した他の子供たちも、きっと一緒に祈ってくれたに違いありません。その一生懸命な祈りを親神様が受け取ってくださり、鮮やかなご守護をお見せくださったのだと思います。


西村和久(天理教一筋分教会長)