天理時報2021年2月7日号2面
視点100年前の大正期に学ぶ昨年秋に公開されたアニメ映画『鬼滅の刃』が大ヒットそれまで歴代の興行収入ランキング1位だった『千と千尋の神隠し』を抜く快挙となった。同作は、週刊誌で連載していたマンガが原作。大正期の日本を舞台に、鬼に家族を奪われたうえ妹を鬼にされた少年が、妹を人間に戻すために鬼と戦うという物語である。テレビアニメの放送が契機となって人気に火がつき、社会現象化し、コミックも累計1億2千万冊を突破する人気作となっている。そんななか、同作の舞台である大正時代に、あらためて注目が集まっている。大正は15年と短く、日本史の教科書でも、長い時間をかけて取り上げられることの少ない時代の一つである。しかし、大正デモクラシーという自由な空気のなか、新思想やモダン文化が花開く一方で、第一次世界大戦や米騒動、関東大震災、スペイン風邪の流行など〝激動の時代〟でもあり、近代日本を考えるうえで重要だ。翻って、本教における大正時代はどうだったのか。激動という意味では、同様であった。大正3年に待望の神殿普請(現在の北礼拝場)が完成するも、同年末に初代真柱様がお出直しになった。大正5年には教祖30年祭が勤められたが、教内の事情や異端事件が起こるなどの節が相次いだ。こうした中で教内に湧き起こったのが、「教祖にかえれ」「教祖時代の信仰にかえろう」という気運であり、その先頭に立ったのが当時の青年層であった。大正7年に天理教青年会が設立されると、9年には増野道興が『みちのとも』大正9年10月号の巻頭言に、「街頭に立て」と題する一文を掲載。若き信仰者に、教会に閉じこもることなく、進んで街頭に立って民衆の中に入るよう檄を飛ばした。この一文をきっかけに、青年会のみならず全教挙げて路傍講演が盛んに行われるようになり、布教活動が活発化した。それとともに、大正デモクラシーといわれる自由な空気の中で、道の後継者たちの間に、自らの信仰の拠り所として原典を求める気運が湧き起こった。当時は、教会本部から「おふでさき」および「おさしづ」が公刊されておらず、教祖伝も編纂されていない。そのなか、若者たちの求道心は純粋な教祖の教えを求め、その思いは全教へ広がっていった。こうした布教と求道の熱が底流となり、大正15年の教祖40年祭へとつながっていったのである。4年祭といえば「教勢倍加運動」を思い浮かべるが、その背後にある当時の人々の求道心を見逃してはならないと思う。元初まりの話についても、教会本部から公然と出されたのは大正11年、40年祭を前に全教会長を招集して行われた講習会で、「ぢばの真義」という題で話されたのが最初である。このお話により、教会長をはじめ、ようぼく・信者に至るまで奮い立ち、教勢倍加という画期的な運動が展開されたとされる(深谷忠政著『教理研究元の理』)。このような動きが、400年祭後の、中山正善・二代真柱様を中心とする原典公刊の動き、そして「復元」へとつながっていくのである。その意味で、大正期は「復元」の芽生えの時機と言えよう。教祖20年祭までは、本席を通して、親神様の神意を直接伺うことができた。教祖30年祭についても、いわゆる「百日のさしづ」によって、確固とした方針が示された。しかし教祖400年祭は、それまでとは違い、直接「おさしづ」を仰げなくなって勤める初めての教祖祭であった。原典に神意を求め、教祖ひながたを心の拠り所として、人々の談じ合いで物事を進めていくことになったのである。4年祭が打ち出された大正10年から数えて、本年はちょうど100年を迎える。40年祭への年祭活動については、慎重に検討を加えなければならない点もあるが、今日、私たちがその歴史から学び取るべきは、教えに対する純粋さだと思う。三会の活動方針発表本部春季大祭の前後、婦人会、青年会、少年会は今年初の会合を親里やオンライン上で開催。それぞれの活動方針を発表した。「元をたずねご恩報じの日々を」婦人会婦人会は、昨年12月26日午後の「支部長・主任例会」で、「ひながたをたどり陽気ぐらしの台となりましょう」との成人目標のもと、活動方針を「元をたずねご恩報じの日々を」とし、実行項目はそれぞれの支部で具体的に決めて動くことを発表。そして、引き続き「百万会員を目指して一人が二人の会員をご守護頂きましょう」と呼びかけている。その席で中山はるえ婦人会長は、「元をたずね」とは、親神様の思召を自分自身が強く心に治めるために原典や教祖伝を勉強することであり、また家族や教会の信仰の元を知り、次代へ伝えていくことが肝心である。元をたずねることで心に湧いてくる深い親心への感謝の気持ちから、なんとかその親心にお応えしたい、ご恩に報いたいとの思で行うことがご恩報じになる。ご恩報じにはさまざまな形があるが、それを各支部で話し合って決め、実行していただきたい、と述べられた。1月27日には「支部長・主任講習会」を東講堂で開催。あいさつに立った中山会長は、まず、コロナ禍をお道の信仰者としてどのように思案するべきか話された。その中で、この大節は親神様の御教えを知る私たちへのお仕込みだとして、ようぼく・信者の”ふさわしい姿〟をいま一度見直し、その姿に近づく努力をするところから始めなければならないと述べられた。この後、真柱様の年頭あいさつの一節を引いて、身近なようぼく・信者を丹精するうえでの課題について話された。その中で、末代まで信仰を受け継いでいくための強い信念を培うことは、時代や社会の状況がどれだけ変わったとしても変えてはならないと強調された。続いて、活動方針に言及。親神様の思召を求めつつ、自信を持って、一人でも多くの方にお道の教えを伝え広めていくことが、この道を信仰する者のふさわしい姿であると述べられ。そして原典や教祖伝を通して親の御心を心に治め、強い信念を持って、身近な人々を導き育てさせていただく大切さをあらためて強調したうえで、「自覚を持って互いに談じ合い、諭し合いながら、強い信仰信念を培っていきたい。神様に受け取っていただける心の使い方、通り方ができる私たちになれるように、励まし合って通らせていただきたい」と話された。「天理教婦人会第1回総会」は4月1日、本部中庭で開かれる。なお当日は、支部の代表者のみが参加する予定。また、9月26日、10月26日には東講堂を会場に「母親講座」を開催する予定。一中山婦人会長は、お道の信仰者としてふさわしい姿に近づく努力を促された(1月27日、東講堂で)自分にできるおたすけ失敗を恐れず挑戦青年会青年会本部(矢追雄蔵委員長)は1月25日、今年初となる例会をオンラインで実施。陽気ホールからライブ配信した。今年の基本方針は、引き続き「世界たすけへの挑戦」とし、副題に「かしもの・かりものの教えを治める」「自分にできるおたすけに動き出す」を掲げる。テーマは、それぞれ「千遍聞いて千遍説く」と「社会問題に目を向けて取り組む」。席上、中山大亮青年会長があいさつに立たれた。中山会長は、コロナ禍によって以前の当たり前が当たり前ではなくなった現状にふれ、いまこそ道のあらきとうりようが、失敗を恐れずに挑戦すべきときだと呼びかけられた。この後、SNSを通じての自身のおたすけ事例を紹介。さらに、悩み苦しむ人たちが教えを聞き、実践しながら互いに心を澄ます中で、「たすけたい」心へと切り替わっていく仕組みづくりについて、自らの夢を披露された。最後に、いま伝えたいこととして「夢を持ち、信じること」「自ら考え、行動すること」「失敗を恐れず、挑戦すること」の三つを明示。「常識にとらわれず、自分は何がやりたいのか、どんなおたすけをしたいのか、どんな教会にしたいのかを、もう一度ゼロから考え、夢を持って、そこへ向かって突き進んでいく人たちがどんどん増えていってほしい。ぜひ、そんな明るいお道を、信仰していてワクワクするようなお道を、皆さんと共に創り上げてい「きたい」と述べて、話を締めくくられた。この後、矢追委員長が、基本方針とともに、新たに掲げた副題について説明。その中で「かしもの――」については、〝教えの台〟とされる教理を理解するためにも、かしもの・かりもののお話を何遍も聞いて、自分が感じたご守護の喜びを何遍も説いてもらいたいと話した。一方、「自分にできる――」では、身近な所で苦しんでいる人に対し、自分にできるおたすけがあるはずだとして、「青年会では今後、さまざまな社会問題に目を向け、おたすけに取り組んでいく」と述べた。陽気ぐらしを実践しその喜びを子供に少年会少年会本部(西田伊作委員長)の「年頭幹部会」は、参加対象を限定し、1月227日に第2食堂で開かれた。今年の活動方針は、昨年に引き続き「日々に陽気ぐらしを実践し、その喜びを子供たちに伝えよう」。重点項目は「子供と一緒に教会へ参拝しましょう」「子供と一緒にひのきしんをしましょう」「「さんさい』『リトルマガジン』などの教材を活用しましょう」の3点。また、「立教桝年こどもおぢばがえり」は、7月227日から8月5日まで、10日間の日程で開催される予定。このほか、新しいこどもおぢばがえりソング『ありがとう!夏のおぢば』が発表された。幹部会では、内統領の宮森与一郎・本部員が登壇した。宮森内統領は、時代の流れに合わせて変えるべきところは変えていく必要があると指摘。その一方で、本当の意味を見失わないよう、いつも検証しておく必要があると述べたうえで、少年会の成り立ちに言及し、「小さいときから心を映すのが親、家庭の役割。会活動に参加し、おぢばの学校で学べば将来、道を通ってくれると人任せにしていないか、一度顧みるべき」と話した。さらに、コロナ禍の現状にふれたうえで、親である育成会員が、おたすけのためにおつとめを勤め、おさづけを取り次ぐなどしてご守護を頂くまでの苦心と喜びを子供に伝えられるようになるとともに、そうした姿を示せるような育成会員を丹精するよう促した。状況を注視しながら続いて、西田委員長が活動方針を発表し、重点項目について説明した。その中で、これまでのように「教会おとまり会」などを一律に呼びかけるのは難しい現状を踏まえ、「従来の活動の手前」にある、日ごろの信仰実践を呼びかけていきたいとして、「子供と一緒に教会参拝やひのきしんを行い、私たち育成会員の報恩感謝の気持ちから溢れる勇んだ姿を、子供の心に映すことで、将来のようぼくへと育つ大切な下地が育まれていく」と話した。また、各種出版物をはじめとする教材や、動画投稿サイトYouTube上に立ち上げた少年会公式チャンネルを、丹精のうえに活用するよう呼びかけた。さらに「立教18年こども「おぢばがえり」について、「感染防止対策を整えて開催したい。大きな団参は難しく、教会家族や信仰家庭など小規模での帰参になるだろう。今後の状況によっては、規模の縮小や大きな変更も想定している。夏に向けて、状況を注視しながら進めたい」と述べた。和楽「歳を取ると頭が固くなる」と、よくいわれる。過日、中学生の息子に勉強を教えていたときのことある数学の問題に、思いのほか手こずった。頭を柔らかくし、視点を変えたらすぐに解けたものの、五十路のわが身に焦りを感じた脳科学の見地から、加齢による脳の衰えはないとする研究者は少なくない。精神科医の和田秀樹氏は、年齢によって変わるものは脳自体よりも「感情」だと言う。人は年齢を重ねると、それまでの生き方や考え方に応じて「型」が定まり、それによって融通が利かず頑なになるそうだ中高生のころ、な数学を勉強するのか疑問に思った。「+」「-」「X」「+」といった四則計算ならまだしも、微分積分や数列、証明問題などは一般の生活に何も関係ない。しかし大人になって、その意味が次第に分かってきた。数学はさまざまな知識や公式を道具として使い、柔軟かつ多方面から考える学問であり、人生の諸問題を解決する力を養い得るもの。それゆえ数学を勉強し直す社会人が増えており、大人向けの学習書も書店にあまた並ぶ「兵に常勢なく、水に常形なし」とは、中国・春秋時代の兵法書『孫子』の一節である。戦では、その場の状況に合わせて、形なき水のように柔軟な戦い方を心がけよとの意味だ。この言葉は戦のみならず、さまざまな問題解決にも当てはまる「こ「うあるべき」といった型や定義にこだわっていると、想定外の事態に対応できず、新たな展開も見えない。ゼロベースで物事を考えれば、成ってくることは喜びとなり、新たな発想も芽生えよう。大きな変換や舵取りが求められる昨今、前例や慣例にとらわれることなく、柔軟な頭で物事を見つめ考えるところに、今後のあり方が見えてくるはず。近ごろ頭の固さが気になる筆者、まずは息子と一緒に数学を勉強し直すとしよう。(中田)おたすけに困ったときはお気軽にお電話ください教会長おたすけ相談室■受付専用ダイヤル0743-63-1641立教184年度布教の家入寮案内期間「入寮研修会」(立教184年3月29日(月))から「卒寮の集い」(立教185年3月27日(日))まで■資格所属教会長ならびに直属教会長から推薦を受け、教人資格を有する者(年齢は問わない)■願書受付2月25日(木)午後4時まで※願書は布教部布教一課まで取りにお越しください。また、各地の布教の家でも配布しています。ただし、願書の提出は布教一課へ問い合わせ〒632-8501天理市三島町1-1布教部布教一課TEL0743-63-2243ホームページhttps://fukyo.tenrkyo.or.jp/生ききる言葉天理教教祖の教え道友社日めくり「稿本天理教教祖伝逸話篇」から道友社フォトブック1おやさと心の景神殿・教祖殿・回廊・中庭気楽に読める信仰と教養の家庭雑誌Youki陽気2月号養徳社