天理時報2021年2月7日号4面
天理スポーツ25回目のセンバツ決定天理高野球部天理高校野球部に25回目の”春第3回「選抜高校野球大会」の出場2校を決める選考委員会が1月2日、オンラインで開催され、同部の出場が決定した。3月1日から兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催される〝センバツ大会”0昨年は決定後に大会が中止となったものの、2年連続出場を決めた天理ナインは、あらためて喜びを噛みしめた。多くの報道陣が詰めかけた天理高会議室に、吉報が届いたのは午後4時ごろ。受話器を取った竹森博志校長は「大変光栄に存じます。ありがたくお受けいたします」と返事した。竹森校長は、すぐさま選手たちが待つ親里野球場へ。「出場おめでとう。県や近畿の代表としての自覚や謙虚な気持ちを忘れず、全力プレーで多くの方々に勇気、感動、元気を届けてほしい」と激励の言葉を述べた。マスク姿の選手たちは、ガッツポーズをするなどして静かに喜びを表した(写真)まずは甲子園で1勝昨年、同大会への出場が決まっていたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて大会は急遽中止となり、その後の夏の甲子園大会も中止となった。夏の甲子園大会の代替措置として行われた交流試合を終えると、内山陽斗キャプテン(2年)を中心に新チームがスタート。「秋季近畿地区高校「野球大会」奈良県予選では、決勝でライバル智辯学園高校に8-2と快勝し、県1位として近畿大会に臨んだ。ところが、近畿大会では準々決勝で強豪・大阪桐蔭高校(大阪1位)に4-1で敗退し、ベスト8止まり。一方、同大会の決勝では、県大会で下した智辯学園高が大阪桐蔭高を破って優勝した。その後、雪辱を誓った同部は、ウエートトレーニングによる体づくりに注力。さらに、素振りや姿勢を意識した補球練習といった基礎練習を重点的に行うなど、プレーの基本を見直すなか、今回の吉報を受けた。今年のチームは、身長10秒から投げ下ろす1*”台後半のストレートを武器とするエース・達孝太投手(同)をはじめ、投手陣が試合の流れをつくり、着実な攻撃で得点を重ねていくスタイルを持ち味とする。中村良二監督(5歳)は「昨年、コロナ禍の影響で大会が中止になり、悔しい思いをした。選手たちのことを思うと、今回の出場決定は非常にありがたい。まずは甲子園で1勝することに集中して、恩師である橋本武徳・前監督(故人)の墓前で勝利の報告をしたい」と話す。内山主将は「引退したOBも指導に携わってくださった。その先輩方にも、全力でプレーする姿を見てもらいたい。秋に敗れた大阪桐蔭高校に勝つまでは負けられない」と闘志を燃やしている。なお、本大会の組み合わせ抽選会は23日に行われる。読者のひろば〝最後の鼓笛演奏〟の機会を得て髙橋海(5歳・北海道小樽市)小学校から支部の鼓笛活動に参加し、一昨年、初めて金賞を受賞した。ところが、「今年も」と意気込んでいた昨年、新型コロナウイルスの影響で「こどもおぢばがえり」が中止に。これまで当たり前にできていた鼓笛の練習や、おぢば帰りが叶わなくなり、残念な思いをした。そんなとき、秋ごろに支部の先生から、おぢばで開催される「特別企画鼓笛お供演奏」に、「隊員とし最終学年の中学3年生をなんとか参加させてあげたい」との後押しを受け、支部を代表して、同級生と二人で出演させてもらえることになった。コロナ禍のさなか、思うように練習できなかったが、「自分にできることを精いっぱいやり遂げよう」と心に決め、当日は「こどもおぢばがえり」のテーマソング『大好きなおぢばへ』をファイフで演奏した。支部の先生方の協力もあり、当初の形と違ったが、最後のお供演奏をすることができた。中学卒業後は地元の高校へ進学し、教区や支部の学生会活動にも積極的に参加したい。また、行事などの機会には、一人でも多くの友人を誘って、おばに帰りたい。投稿・お便り募集身近な話題や意見、提言などをお寄せください。字数は自由。住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、左記へ。採用された方には図書カードを贈呈します。道友社ホームページからも投稿できます。632-8686天理郵便局私書箱30号FAX0743-62-0290Eメール[email protected]※いずれも、天理時報「読者のひろば」係よろずの美の葉作家澤田瞳子雪をめぐる悲喜こもごもこの冬は12月のうちから、寒波と大雪のニュースが幾度も報じられた。私が暮らす京都は、冷え込む時ほど晴れ上がるのがお定まりで、積もったとしても午前中には溶けてしまうはかなさである。ニュース番組でお馴染みの「雪の金閣寺」が見られるのは、ほんのわずかな時間だけ。数日にわたって住民を悩ませる大雪は4、5年に一度、あるかどうかだ。ところで平安時代に記された『枕草子』や『源氏物語』はたまた『栄花物語』といった文学作品をひも解くと、当時の貴族が雪を楽しんでいる記述が散見される。当時の代表的な雪遊びは、「雪転がし」といって、現在、子供たちが雪だるまを作る時のように、雪の玉をごろごろと転がすもの。『源氏物語』には巨大な雪の玉をなかなか動かせずに騒ぐ少女たちを、光源氏が興味深く眺めているシーンが出てくるが、これとよく似た遊びに「雪山作り」というものもある。こちらは庭に雪を盛り上げるだけの簡単な遊戯で、参加者に褒美が与えられたり、出来上がった雪山を眺めて、皆で歌を詠むこともあったようだ。なかには日を追うにつれて小さくなっていく雪山を惜しみ、「指定の日まで消えぬように管理すれば、褒美をやるぞ」と庭の手入れ係に命令されたというエピソードもある。ただ、雪にそれだけ大はしゃぎできるのも、京での積雪がそんなに多くなかった事実の裏返しだろう。現在の京都でも雪が積もると、子供たちがはしゃぎまわり、雪だるまを作ったり慣れない雪合戦に興じたりしているが、そのはしゃぎっぷりは平安人とさして変わらないわけだ。とはいえこれまた現代人がそうであるように、世の中、雪が降って喜ぶ者ばかりではない。この時代、朝廷は行事がめじろ押しで、なかでも最も重要な儀式は元日の朝、天皇が大極殿に出御し、貴族がその前庭に整列して拝礼を行「元日朝賀」というものだった。ただこれは風の吹きっさらす露天が開催場所だけに、10年に一度くらいの頻度で、大雪のため取りやめとなっている。年末の忙しいさなか、空模様を睨みながら「開催か、中止か。中止なら、各方面に早く連絡を」と頭を悩ませたであろう儀式担当役人たちのことを考えると、こちらまで胃がきりきりしてくる。面白いのは大雪のほかに、「雪後泥深」という理由で中止されている例があることで、儀式の数日前に降った雪が解けて庭がひどくぬかるんでいたのだろう。当時の貴族は悪天候時には革の沓を履いていたが、長い儀式に参列していればじわじわと足元は濡れてきただろうし、ぬかるみがひどければ衣だって汚れてしまう。中止の知らせにほっとした貴族は多かったはずだ。結局、時代や社会は変わっても、雪に伴う人々の悲喜こもごもはさして変わりがない。そう考えると、ただの雪景色がますます趣深く見えてくるのだが、さて今年の京都に雪は積もるだろうか。教区・支部情報ねっと全国の教区・支部の活動や行事予定がインターネットを通じて検索・閲覧できます。天理教ホームページ「信仰している方へ」内の専用バナーからアクセスできます。URL=https://tenrikyoregionalnet文芸連載小説ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン第16話言葉を節約するタイプ前話のあらすじカンとピノが海辺を散歩していて、カンは桟橋から海に落ちてしまう。ピノが助けを呼ぼうと吠えつづけると、若い男が現れ、ためらうことなく海に飛び込んだ。ずぶ濡れの若い男が車を運転している。長めの髪からは水がしたたり落ちている。助手席のカンも濡れている。乾いているのは後部座席にいるわたしだけだ。外はすっかり暗くなっていた。対向車はヘッドライトをつけている。男はうっとうしそうに前髪を指で掻き上げた。彼もやはり言葉を節約するタイプらしい。しかしカンのように、まったく喋らないというわけではない。「道はこっちでいいんだな」。不機嫌そうにたずねた。カンは前を向いたまま黙ってうなずいた。「ありがとうぐらい言えよ。助けてやったんだから」もちろん男は事情を知らない。だから、わたしが代わって応えた。男はちらりと後ろを振り返った。「いまのは、ありがとうか?」頭は悪くないようだ。「まいったなあ」。それから助手席のカンを見て、「寒くないか」とたずねた。結局、カンは指の動きと頭の上下運動だけで車を自分の家まで誘導した。本当に必要なことは言葉なしでも伝えることができる。わたしは常々、人間の言葉は悪事を隠すためのものではないかと疑っている。ドアをあけたハハは、ずぶ濡れのカンを見て驚いた。「いったいどうしたの?」青年は簡単に事情を話した。すでに帰宅していたトトが奥から出てきた。立ち去ろうとする男を二人は引き留めた。行くところがあるので、と若い男は弁解するように言った。「とにかく、なかに入って。服だって乾かさなきゃいけないし」。ハハはバスタオルでカンの頭をごしごし拭きながら言った。「お風呂に入って、せめて夕ご飯だけでも食べていってちょうだい」「そうだよ、そうしなさい」。トトが父親みたいな口調で言った。「まいったなあ」。彼は再び言った。「こんなことになるなんて」「なんとお礼を言っていいか。本当にありがとう」若い男はハハの言葉を聞くと、耳に入った水を振り払うように首を振った。「子どもが海に落ちたのを見たら、助けないわけにはいかないですから」「それにしても、いったいどうして海になんか落ちちゃったのかしら」重力の問題だ。もちろんハハの「どうして」が、そういう意味でないことはわかっている。男が海に飛び込んだあとも、わたしは桟橋の上で吠えつづけた。だが助けはやって来ない。カンは男の背中にしがみついている。男は桟橋の縁をつかんで、ゆっくり岸のほうへ移動していった。何度も波をかぶったけれど手は離さなかった。「サーフィン、やるんですか」。玄関に置かれたサーフボードに目を留めて彼は言った。恃衆歌喧植田珠實選天理ラグビー決勝戦のぶつかり合い怖くて見れずたびたび席たつふじみ野市酒井笑子やりました西の代表天理大ラガーの涙最良の初春川崎市木村道治漆黒のジャージ屈強の体躯天理ラグビーVサイン挙ぐ高槻市石田たまの三を控えさびしき正月の誰かこの掌に触れてくれぬか横浜市本藤豊子巣ごもりもわれにはプラス筆はじめ牛歩のごとき筆の運びで八尾市伏田和子ふんわりと咲く桜見に庭に出て老いたる心のあたたかになる常陸太田市梶山文子044ふるさとお正月を帰省できずにテレワーク古里おもい繋がる家族所沢市三上理恵子初空の畑で採れし葉野菜を神棚に供え無事を祈りぬ堺市内藤登夫逝きて息子と二人の正月にあの日のように雑煮餅焼く笠岡市池田広子お雑煮はけんちん汁に餅二つ今年初めの一つ目の喜び笠間市石井真美ひとつまみの砂糖入れたるぬるま湯に香り豊かに椎茸もどる福山市藤井光子元旦の朝日射し込む玄関に何はともあれ両掌を合わす丹波市余田幸代しっかりと乾布摩擦す起き抜けの顔も喉も昭和一桁伊勢原市宇佐美正治椋鳥の百羽余りが飛び発ちぬ外出自粛下の野をひとり行く東村山市加藤八重子赤帽子青セーターに着替えれば卒寿の我をにいちゃんと呼ぶ秋田市長尾進「ムーラン」ってパン屋は今もあるんだよ兄はしばらく青春の顔加東市小林留美子動けなくなりしバイクが三ヶ所の交換を受け達者で戻る豊岡市狩野よし子南瓜の蔓を思い切り引っぱりて二つの大きな玉に驚く福山市藤井宜人朝起きて空を見上げる日の多き洗濯婆の一日の仕事甲賀市山田婦美子恋愛とはおそろしきもの食っちゃ寝の娘がハーフマラソン完走す所沢市岡田陽一今週の選者詠熱すこし出たとふメール読みなおす梅のつぼみがひらきし朝を【評】酒井さん、木村さん、石田さんたくさんの方から、天理大学ラグビー部の大学選手権初優勝を称えるお歌を頂きました。どのお歌からも感激、興奮、感謝、涙があふれていました。酒井さんもいところを詠まれましたね。本当に勝つと信じていても、じっとしていられず、テレビから離れてはまたすぐ戻る。あの特別な時間の臨場感が読み手によく伝わります。本藤さん―――「自粛」「三密を避ける」「マスクをせず人と話さない」。そのような日々がいまだ続いています。寂しいですね。人の温もりが恋しくなります。下旬に作者のその思いが切なく詠まれています。伏田さんいまは「巣ごもり」の状態。それも悪くない、と前向きに捉えられました。代田さんは書家で、それは力強い見事な字をお書きになります。下旬が今年の丑年にふさわしく、いいですね。歌壇にながらくお歌を投稿してくださっていた、梶山文子さまがお出直しなさいました。この桜のお歌のあたたかさ、やさしさは、梶山さまそのままでしょう。いままで本当にありがとうございました。投稿は無地のハガキに俳句3句、または短歌3首まで。お名前(ふりがな)、電話番号を記載のうえ、楷書でボールペンで書いてください。〒632-8686天理郵便局私書箱30号「時報俳壇」または「時報歌壇」係Eメールは[email 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