天理時報2020年12月20日号2面
視点節を好機とし自らを見直そう今年は新型コロナウイルスに翻弄された一年だった。先日、筆者の身近な人がPCR検査を受け、もし陽性なら筆者自身も濃厚接触者となり、周囲に迷惑をかけると思い、落ち着かない日を過ごした。結果は陰性で胸を撫で下ろすとともに、日曜返上で即日検査してくれた医療関係者に感謝した。12月12日付の新規感染者数は3千38人、重傷者7人と、いずれも過去最多となり、いまだ収束の糸口は見いだせない。自粛の影響は経済を直撃し、コロナ関連の失業者数は公式には約7万人(1日時点)、休業者数は4月にコロナ以前の3倍の300万人(秋には元の水準に落ち着いた)と発表され、倒産した会社数は00~900社(12月初めまで)という統計も目にする。政府はさまざまな支援策を実施し、21月に新たな「統合経済対策」を発表した。国民感情としては、感染の恐怖、生活の不安、自粛による不便さなどが続くなか、3密回避やマスク着用などの感染防止対策を心がけ、忍耐強く病禍を乗り越える努力を続けている。先週の本欄で、天理大学もコロナ禍によりリモート授業へ切り替えたとあったが、それだけではリアルな学生生活が送れないので、万全の感染対策を講じたうえで可能な限りの対面授業を再開していると紹介された。このように、一人ひとりが自粛と再開の両面を適宜使い分けることが求められている。これは、お道の信仰活動にも当てはまる。たとえば教会の月次祭などでも、依然3密回避ができない状況などにより、信者が参拝できない場合もあろう。その際、自宅で遥拝する、おつとめ時を外して参拝する、理のつなぎをするなどの次善の手段も考えることができる。また、教会としては、会長の話をネット配信することも含め、オンラインなどを積極活用して言葉をかけ、心をつなぐこともできる。ただし、おつとめそのものを、配信を通じて参拝するようにできないかとの声もたまに聞くが、それには賛成できない。恒例祭のおつとめは、かぐらづとめの理を戴いて、教会において勤めるからこそ、土地所の治まりと、人々のたすかりのご守護を頂戴できるのだから、教会へ足を運んで一手一つに勤めることが肝要だ。自分の都合をおつとめに合わせる気持ちが大切であり、リモートに慣れてしまえば、ややもすれば教会へ足を運ばずともと、都合よく流されることもある。ここは一線を引いておくべきだろう。おたすけ活動についても、できないということは決してない。病院では、ほぼ面会は許されないが、お願いづとめを勤めたり御供を届けたり、手紙や電話で励ましたりするなどの手だてはある。おさづけ拝戴後の、取り次ぎについての説明でも、伝染病の恐れなどがある場合は、無理に取り次ぐのではなく、お願いづとめをするなどの方法が教えられている。この人に、なんとかたすかってもらいたいとの思いで、時々の状況に合わせ、精いっぱいの真実を尽くすことで、親神様にお受け取りいただけるのだ。コロナ禍によって難渋している人は間違いなく増えている。感染への用心はもちろん大切だが、このような節だからこそ、積極的なおたすけに努めたい。教祖は、打ち続く難儀な道すがらにおいても、愚痴も後悔も絶望もなく、先への希望をもって明るく前向きに、そして如何なるときも、一れつ人間をたすけ上げたい親心一条で、喜び勇んでお通りくだされた。行事や活動が中止を余儀なくされた今回の大節は、各自の信仰生活のありようを見直す良い機会でもある。身に付いた習慣や行動は変えにくいものだが、いったん止まったがゆえに、思いきって大胆に改めるきっかけにもなる。いま教祖のひながたを見つめ、白紙に戻り一より始める好機が到来していると考えたい。(村)特集“お道の里親”に高評価「厚労大臣表彰」12組が受賞近年、児童虐待の相談件数が増加の一途をたどり、保護を必要とする子供は後を絶たない。本教は昭和56年、宗教団体としていち早く「里親会」を発足。その後「天理教里親連盟」へと発展し、12月15日現在、里親登録数は16世帯に上る。そのうちの家庭で774人の里子を養育している。全国の委託児童数が7千人(平成30年度末現在)であることから、お道の教友がその1割強を担っていることになる。こうしたなか、過去20年以上にわたり里親として活動し、各都道府県知事が推薦した3組に「厚生労働大臣表彰」が贈られ、そのうち”お道の里親〟12組が受賞。また、同大臣「感謝状」も、14組(全国では556組が受賞)に贈られた。ここでは、表彰された12組の里親の紹介とともに、梅原啓次・天理教里親連盟委員長のコメント、さらには板倉知幸・布教部社会福祉課長の談話を掲載する。●藤本忠嗣さん(24歳・秦分教会長・高知市)と晴子さん(7歳)全国里親会理事、天理教里親連盟委員長を歴任した忠嗣さんは「社会に貢献できるおたすけの一環としてつとめてきた」と。晴子さんは「児童相談所の信頼が得られるようになり、活動から芽が出てきたと感じている」と語った。●三原一郎さん(7歳・都茂分教会信者・島根県出雲市)と恵子さん(7歳)今年4月から一人を預かるなか、恵子さんは「徐々に打ち解け、いまでは学校の話を聞かせてくれる」と喜ぶ。一郎さんは「子供たちが幸せになれる環境をつくりたい」と話した。●井上直寛さん(7歳・美谷分教会長・岐阜県山県市)とみちえさん(8歳)天理教社会福祉施設連盟委員長の直寛さんは「里子が日々を楽しめるよう心がけている」と語った。門脇修二さん(70歳・和田分教会長・兵庫県明石市)と和美さん(74歳)「里子の一生と向き合う気持ちでつとめている」と和美さん。修二さんは「今後も里子のために理づくりに努めたい」と話す。●赤塚隆男さん(8歳・彌弘分教会前会長・奈良県御所市)と里恵さん(70歳)隆男さんは「人を思いや里子の姿にふれて、『ありがたい』と感じる」と。里恵さんは「子供たちが感謝の心を大切にできるように接している」と語った。●太田梅雄さん(8歳・南治一分教会長・大阪市)とみちのさん(6歳)「なかには反抗期の子もいて、大変ではあるが、喜びの心で通っている」と口をそろえる。●松尾弘幸さん(88歳・佐福分教会長・長崎県佐世保市)と美智子さん(6歳)「ある里子から『自慢の里子になりたい』と、お礼の手紙をもらったことが思い出」と弘幸さん。美智子さんは「たすけ合いの心を身に付けてもらえるよう尽くしたい」と。●佐藤きくよさん(6歳・北札幌分教会札美布教所長・札幌市)「重度の障害がある里子を預かるなか、毎日のおさづけの取り次ぎにより、少しずつご守護を頂き、おたすけの喜びを感じている。里子に温かい気持ちで接することを心がけ、一生懸命続けていきたい」と語った。西岡道治さん(6歳・旭愛分教会長・愛知県長久手市)と美千代さん(5歳)「里子たちはもちろん、子育てに悩む人々に寄り添いたい」と美千代さん。道治さんは「今後は里親活動を志す人たちのサポートや育成にも携わりたい」と。二飯田秀一さん(60歳・金光分教会伏見ヶ丘布教所長・石川県白山市)と笑子さん(6歳)秀一さんは「うちから巣立った子供たちの幸せそうな姿に喜んでいる」と。笑子さんは「これからも、親神様のお引き寄せやご守護を感じながら活動したい」と話した。●松井正道さん(8歳・東大分分教会長・大分市)と昭子さん(38歳)「親神様にお引き寄せいただいたからには、責任を持って預かっている」と正道さん。昭子さんは「里子たちについて、周りの人から『あいさつができる、お礼が言える』などと褒められるとうれしい」と笑みを浮かべる。●森浩次さん(60歳・髙京分教会長・横浜市)と久見子さん(60歳)夫妻は昭和83年に里親登録。浩次さんは「一人ひとりの個性に合わせて養育するよう心がけてきた」と。久見子さんは「苦労もあったが、里子の笑顔を一番の励みに続けてきた」と振り返る。梅原委員長(5歳・分教会前会長)は、このたびの教内者の表彰について「教えに基づくおたすけを実践した結果だと思う。教内の里親活動は、各地の児童相談所をはじめ、行政機関からの信頼が厚く、期待の声も大きい。今後も安全・安心・温かい家庭を提供し、さらには地域の子育てサポーター”として、子育てに悩む親へのおたすけができるように、養育スキルの向上にも努めたい」とコメントした。「感謝状」も14組受賞●杉尾愛子さん(7歳・室積分教会教人・山口県光市)●堀田利行さん(74歳・名分教会前会長・名古屋、明子さん(7歳)●合田義雄さん(8歳・愛豊分教会長・愛媛県四国中央市)、光映さん(8歳・愛野分教会教人)●佐々木省三さん(88歳・大ヶ塚分教会長・大阪府河南町)、美智江さん(6歳)●杉山豊彦さん(56歳境港分教会長・鳥取県境港市)、友子さん(6歳)●辻政信さん(56歳・帝善分教会教人・高松市)、佳子さん(6歳)●近藤邦彦さん(6歳・徳神分教会長・横浜市)、三知恵さん(66歳)●熊谷道宏さん(4歳・髙梨分教会長・秋田県大仙市)”裕子さん(16歳)◆宮本正弘さん(4歳・愛昭神分教会長・愛知県岡崎市)比登美さん(60歳)●中山理生さん(5歳・百竹分教会長・大分市)陸美さん(6歳)●増野正興さん(5歳・本かちあきら部直属道昭分教会長・神戸市)、真理さん(5歳)◆村木道行さん(38歳・都鴨分教会長・埼玉県深谷市)”和子さん(5歳)のりみ●西森律身さん(5歳・加茂谷分教会長・徳島県阿南市)、恵子さん(5歳)●猪原啓介さん(5歳・門司港分教会長・福岡県北九州市)、ひとみさん(5歳)児童養護の大きなたすけ板倉知幸・社会福祉課長(談話)100年前の天理教養徳院(当時)の開設に始まるお道の社会福祉活動は、児童養護が原点となっており、これは里親活動にも通ずる。さらに、児童虐待が増加する昨今、こうした社会貢献は”大きなたすけ〟につながっている。今回、受賞されたお道の里親の方々を見ると、全国各地での活躍のほどがうかがえる。日本では現在、核家族が一般的となり、さらには離婚率の上昇なども、子育てのストレスにつながっている。今後、そうした人たちへの支援を目指す動きにも期待したい。和楽「あやとりのエッフェル塔も冬に入る」(有馬朗人)。あやとりが冬の季語とされるのは、寒いときに家の中でできる遊びだったからだという。つい「だった」と書いたが、もちろん今でもできる指遊びだ。スマホを使いこなす子供たちを見ていると、なかなか想像しにくくなってきた句を詠んだ有馬氏は優れた俳人であり、日本を代表する物理学者でもあった。20代で発表した原子核についての論文で注目され、のちに東京大学総長、理化学研究所理事長を務めた。請われて政界入りした後、文部大臣などを歴任。卓越した識見で教育行政にも手腕を振るった。偉ぶらず、接する人をして安心させる温厚な人柄の中に、鋭い分析力が光る人物だったという。そんな有馬氏が30歳で亡くなった生涯を通して好奇心を忘れず、句会「天為」を主宰したのは還暦を過ぎてから。氏が示し続けたのは、学びに対する真摯な姿勢であり、考える力の大切さだったところで、先ごろドイツの研究グループが「自分が絶対に正しいと思っている人は、情報検索をあまりしないので正確な判断ができない」という調査結果を発表した。アンケート調査で対象者の性格を分析したうえで問題に答えてもらったところ、「独善的」な人ほど自分の回答を再確認しようとせず、正解率も下がる傾向にあったそうだ。研究グループは、自分の思い違いを修正できる情報があったとしても、必ずしも人がそれを求めるわけではなく、世界各地で深まる意見対立や二極化の遠因になっているとも指摘している学ぶことは誠実であることだ。教祖のお言葉にある「丸い心で、つながり合うて行く」世界は、学びへの真摯な姿勢から始まるのかもしれない。外はまだ出歩きにくい。あやとりではなくとも、小さな指の先には好奇心をくすぐるものがあってほしい。(鯵澤)おたすけに困ったときはお気軽にお電話ください教会長おたすけ相談室■受付専用ダイヤル0743-63-1641婦人会からのお知らせひながたをたどり陽気ぐらしの日々をやさしい心になりなされや。人を救けなされや。癖、性分を取りなされや。(『稿本天理教教祖伝逸話篇』123)教えをもとにご恩報じの日々をwithyouみちのだい『教えをもとに』頒価80円(税)込女子青年の動画配信中今できる女子青年活動