主将3年目「感謝の心」でチームを牽引 プロ野球千葉ロッテマリーンズ 中村奨吾選手 – ようぼく百花
広角に打ち分ける打撃と50メートル6秒の俊足、遠投115メートルの強肩を誇る二塁手であり、またキャプテンとして、プレーと精神面でチームを牽引する中村奨吾選手(30歳・千葉ロッテマリーンズ所属・西島分教会ようぼく・天理高校野球部OB)。マリーンズは1日から、恒例の春季キャンプに入る。
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地元のリトルリーグで野球を始めた中村選手は、父・優人さん(同ようぼく)の母校である天理高へ進学。1年生の6月、腰を痛めたことをきっかけに内野手から外野手へコンバートされたが、秋からレギュラーに定着。2年生の夏、3年生の春・夏と、3季連続で甲子園の土を踏んだ。
最後の夏に向けては、内野手へのこだわりを見せ、監督にポジション変更を直訴。甲子園には三塁手として出場し、このとき「生涯、内野手」を誓ったという。
「天理高校で学んだ感謝の気持ち、たすけ合いの心は今も公私にわたって意識している。多くの人たちのサポートのおかげで野球ができる現状を理解し、常に『感謝の心』でプレーしたい」と語る。
ベストナインに選出
名門・早稲田大学を卒業後、ドラフト1位指名を受けて千葉ロッテマリーンズに入団。プロ3年目の6月から三塁手のレギュラーに定着した。
その年のシーズンオフ、かねて憧れていた井口資仁氏が新監督に就任。現役時代、球界を代表する二塁手として活躍した井口監督の指示で、二塁手へとコンバートされた。「一番やりたかったポジション。信頼される選手になりたい」と飛躍を誓い、翌シーズンは攻守両面で活躍。「マイナビオールスターゲーム」に初選出。同年、39盗塁を決めてパ・リーグ2位に。また、486捕殺を記録して二塁手のリーグ記録を更新し、「GG賞」を初めて受賞した。
その後も活躍を続け、プロ7年目となる一昨年、チームキャプテンに選ばれた。
中村選手は「以前から、若い選手に積極的に声をかけていこうという思いはあった。主将に指名され、より一層の責任を感じた」と振り返る。
この年は、クリーンアップの3番を任され、打撃面でもチームを引っ張ると、自身初のベストナインに選出。二度目の「GG賞」にも輝いた。
昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で、2017年6月からの連続出場が630試合で途切れるアクシデントもあったが、6月1日の東京ヤクルトスワローズ戦でプロ初の4番を任され、第1打席でホームランを放つと、プロ野球史上15人目となる「全打順本塁打」を達成した。
シーズンオフには、自身の権利として取得した国内FA権を行使せず、来シーズン以降もロッテでプレーすることを決めた。チームの主将として3年目を迎えるなか、「球団本部長から『このチームで一緒に優勝したい』と言われたことが一番心に響いた。私自身も優勝したいという思いが一層強くなった。個人の目標としては、キャリアハイの成績を目指していく。それが達成できれば、おのずとチームも上位争いに食い込むことができると思う」と、来シーズンの飛躍を誓った。