2年連続6回目の金賞に – 天理高バトン部
天理高校バトントワリング部は2022年12月10日、千葉市の幕張メッセで開催された第50回「バトントワーリング全国大会」(主催=一般社団法人日本バトン協会)高等学校バトン編成の部に出場。2年連続6回目の金賞を果たした。
地方予選を勝ち抜いた高校が日本一を競う同大会。天理高バトン部は、関西予選を3位通過し、17回目の出場を決めた。
今年は「ノードロップ(演技中にバトンを一度も落とさないこと)で金賞」を目標に掲げて練習に励んできた。
大舞台で披露する演技テーマは「X(ジャンヌ・ダルク)」。フランスを救うために戦ったジャンヌ・ダルクの生涯を題材に、彼女の雄姿や苦悩を表現する。
振り付け・演技指導をするのは、2017年に行われた「第9回WBTFインターナショナルカップ」個人種目で優勝を果たすなど、世界大会で輝かしい成績を収めた鈴木治コーチ(27歳・愛町分教会愛清布教所ようぼく・京都市)。6年前から同部コーチとして指導に携わる中で、技術面の指導はもとより、お道の教えを交えながら声をかけ、精神面でも部員たちの成長を促してきた。
鈴木コーチは「練習では『常に百パーセントの力を出し、自分の限界を更新していく』ことを意識するよう指導している。部員一人ひとりの努力の積み重ねが、チームを成長させると思う」と話す。
同部の部員は、大会の1週間前から定刻参拝前に本部神殿で連日お願いづとめを勤めたほか、練習の合間には”徳積み”としてごみ拾いをするなどの信仰実践も重ねてきた。
最高の成績で”恩返し”
迎えた全国大会当日。メンバーは鎧を模したシルバーの衣装を身にまとい、ステージへ。
神秘的な音楽が流れるなか、演技スタート。メンバーは時に勇ましく、時に悲哀を滲ませながら、ジャンヌ・ダルクの生涯をバトンや体の動きで表していく。クライマックスでは、ジャンヌ・ダルクが十字架に架けられる様子を鬼気迫る演技で表現。一糸乱れぬ高度な技術と情感豊かなパフォーマンスに、観客席から拍手が湧き起こった。
結果、2年連続6回目の金賞に輝いた。
杉本沙希キャプテン(3年)は「『いずれ天理高バトン部が全国1位を』と話していた鈴木コーチの思いを聞いて、少しでもその目標に近づけるように無我夢中で練習してきた。今回、過去最高のパフォーマンスをすることができ、コーチや先生方はもちろん、部活動を支えてくれた方々や家族に”恩返し”ができたと思う」と笑顔で語った。
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全国大会後の2022年12月18日、同じテーマで臨んだ第43回「関西中学校・高等学校バトントワーリング大会」では、審査員から「テーマと構成がマッチしており、ジャンヌ・ダルクの世界観が伝わってきた」と作品の完成度と表現力を高く評価され、金賞に加え優秀賞を受賞した。