「最高裁判所長官表彰」- 家事調停委員として長年尽力した水田耕二さん
水田耕二さん(72歳・水鳥分教会ようぼく・福岡県筑紫野市)は先ごろ、家事調停委員として長年、紛争解決に尽力し、調停制度のために貢献した功績が顕著であると認められ、調停委員に対する最高位の表彰である「民事調停委員及び家事調停委員に対する最高裁判所長官表彰」を受けた。
「調停」とは、紛争当事者が裁判所の仲介のもと話し合い、適正・妥当な合意を成立させるための手続き。調停委員は、裁判官と共に当事者双方の言い分を聴き、助言や解決策を提案して合意を斡旋する。
最高裁判所長官表彰は、調停制度施行40周年に当たる昭和36年から年1回行われているもの。各地方裁判所の所長表彰、各高等裁判所の長官表彰などの中で最高位の表彰であり、令和4年度は120人が対象となった。
当事者の心の向きを変え
平成17年、行政書士として働く中で、相続問題の解決を専門に活躍する講師と出会った水田さん。その業務姿勢に感銘を受けるとともに、自身も父親の相続手続きでトラブルになりかけた過去に思いが至り、一念発起。“相続問題のプロ”を目指すと決意した。
その後、相続問題への知見を深めるため、18年に調停委員を志願。面接に合格し、福岡家庭裁判所本庁の家事調停委員に任命された。
以来、15年にわたって1千件以上の遺産相続や離婚問題の調停に携わってきた。
その間、自宅近くの教会に日参し、本部の大祭と所属教会の月次祭に欠かさず足を運んできた。
26年からは、裁判所の参与員として成年後見人の候補者の面談を担当するほか、行政書士事務所で「離婚センター」「相続センター」を運営するなど、多忙な日々を送っている。
水田さんは「双方が納得する解決に届かず、悩むときもあったが、お道の教えを胸に諦めず続けてきたことが評価され、うれしい気持ちでいっぱい」と語った。
(佐賀・山内社友情報提供)