「生きる」を表現 グランプリに輝く – 天理市の梶本たけのさんと満天君
梶本満男さん(53歳・本部准員・天理市)とたけのさん(51歳・本部婦人)夫妻の次男・満天君(14歳)は、2022年12月6日に東京都で開催された第2回「IKIRUファッションコレクション」に、たけのさんと共に出場。51組の出場者の中からグランプリに輝いた。
満天君は、先天性の染色体異常「13トリソミー」と合併症の障害がある。出生後、1歳まで生存できる確率は1割に満たず、医師からは「人工呼吸器が外れることは一生ないだろう」と告げられた。
そんななか、満天君は外科的処置を施され、医療の常識を覆して、1歳の誕生日を迎えた。
その後、たけのさんは、満天君が生きるためにできることはないかと考え、毎日スキンシップをしたり、すべての臓器に名前をつけて感謝の言葉をかけ続けたりした。すると、医師が驚くほど心不全の指標値が下がり、6歳のとき呼吸器が外れ、自発呼吸ができるまでにご守護を頂いた。
満天君は現在、「13トリソミー」を持つ人の中で高年齢となる14歳。奈良養護学校へ通い、見る、聞く、触るなど成長に応じた授業を受けている。
梶本さん夫妻は、満天君が生かされていることへの感謝と、「重度の障害がある子供とその家族と共に時間を過ごしたい」との思いから、「秋のわくわくこどもおぢばがえり」と銘打った行事を企画。コロナが流行する3年前まで毎年続けてきた。
こうしたなか、たけのさんの弟・吉川泰昭さん(44歳・同ようぼく)の知人が、たけのさんと満天君の生き方に感銘を受け、第2回「IKIRUファッションコレクション」の出場者として推薦。梶本さん夫妻は「生かされている喜びを何か表現できれば」と出場を決意した。
同大会は、俳優やアイドル、障害のある人など、さまざまな立場や境遇にある人が、芝居や朗読、歌などを通して「生きる」ことを表現するもの。
大会当日、たけのさんと満天君は、織姫と彦星をイメージした衣装を着て舞台へ。衣装には「やっと会えたね」という意味を込めたという。ステージに立ったたけのさんは、満天君を抱きかかえながら、これまでの軌跡や今ある喜びを音楽やスライドショーに合わせて朗読。結果、聴衆に感動と勇気を与えたことが高く評価され、見事グランプリに輝いた。
たけのさんは「満天を通じて多くの人たちと出会うことができた。今回、不思議な縁から出場することになり、まさかグランプリを頂けるとは思いもしなかった。いつか、ここでつながった人たちをおぢばへお連れしたい」と話した。