不慮の事故でふさぎ込む息子 – 人生相談
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Q. 先月、陸上部に所属する高校生の息子が交通事故に遭いました。医師からは「今後、走ることが難しくなる」と言われ、ショックを受けてふさぎ込んでいます。なんとか前を向いてほしいのですが、どう接すればいいか分かりません。(40代女性)
A. 人が大きな困難に出合い、それを受け入れ、日常を取り戻すまでには、概ね以下の五つの段階があるといわれています。
1段階目は、何が起こったのかを認識ができない「ショック期」、2段階目は、現実を否定する「否定期」、3段階目は、困難の前に戻る駆け引きを行う「バーゲン期」、4段階目は、希望を失う「悲嘆期」、5段階目は、困難を受け入れ、努力し始める「受容と努力期」です。各段階への移行は、事例によって数カ月から数年が必要とされ、心の葛藤を伴って進んでいきます。
ケアする人の留意点の基本は、本人のいまの気持ちを認め、日常生活を大切にすること。朝の声かけや食事、就寝など、特別なことではなく、いつもの日課が同じように繰り返されることで、困難はあっても日常に変わりはないと徐々に思えるようになり、心の葛藤と向き合い、ありのままの自分を受け入れる準備ができてきます。
一方、本人の心の葛藤に寄り添い、伴走するあなた自身の心身のケアも大切にしてください。規則正しい生活、疲れたら早めに休む、適度な気晴らしや余暇など、健康的に毎日を過ごしましょう。時旬を思うとき、教会日参ができれば、心の健康を保ちやすいでしょう。
教祖140年祭を迎える日、さらに陽気ぐらしに近づくご守護を頂かれることをお祈りしています。
回答者:堀健一(家庭支援プログラムアドバイザー・晃栄理布教所長)