新チーム始動 強豪相手にそろって快勝 – 天理高校ラグビー部・天理大学ラグビー部
2023・6/14号を見る
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天理高校ラグビー部と天理大学ラグビー部は4日、親里競技場で開催された「2023 ラグビースプリングカーニバルIN奈良」に出場。天理大学が東海大学と、天理高校が東海大学付属大阪仰星高校と対戦し、そろって強豪相手に快勝した。
試合経験を重ねていく – 天理高校
2022年の「全国高校ラグビー大会」で18年ぶりとなるベスト4入りした天理高校ラグビー部。新チームには全国大会を経験した選手がほとんどいないため、松隈孝照監督(51歳)は「一からのスタートになった」と話す。
守備面では、タックルが得意な内田涼キャプテン(3年)、タックルスピードのある飛峪龍馬選手(2年)がチームを支える。一方の攻撃面では、全国大会準々決勝で決勝トライを決めた内田旬選手(同)の突破力が武器だ。
新チームは、4月末から福岡県宗像市で開催された「サニックスワールドラグビーユース交流大会」に出場し、オーストラリアや韓国の学校に勝利。一方、全国大会で優勝した東福岡高校との対戦では、守備で相手にしつこくくらいついて接戦に持ち込んだが、惜しくも12-17のワントライ差で敗れた。
また、県内のライバル・御所実業高校との試合では、7-29と苦杯を喫する。その後、チームは「ブレイクダウン(タックル後のボールの奪い合い)中のミスを少なくしよう」と意識を統一し、今試合に向けて課題を修正してきた。
試合では開始2分、パスをつないで渡辺天心選手(2年)が先制トライを奪うと、27分には山﨑祥永選手(同)が相手防御の合間を縫うキックでボールを前へ運び、小松駿太郎選手(1年)がトライ。ディフェンスでは、ひと回り体格の大きい相手を複数人のタックルで防ぎ、22-7で勝利した。
内田キャプテンは「御所戦の修正がしっかりできた。いまのチームは試合経験が少なく、練習の成果を出しきれていないので、試合で全力を出せるよう経験を積み重ねたい」と話した。
夏はフィジカル強化に – 天理大学
2022年、関西リーグ2位となり、大学選手権では3回戦で敗退した天理大学ラグビー部。小松節夫監督(60歳)は「結果が出なかった。体づくりや基本から、もう一度鍛え直す」と語る。
選手たちは「ムーブフォワード」をスローガンに掲げ、例年以上にミーティングの回を重ね、修正点や課題を出し合っている。
フォワード陣をまとめるのは、台湾出身の鄭兆毅(ていちょうぎ)選手(4年)。常に攻撃に参加し、トライのチャンスをつくり出すハードワーカーだ。パトリック・ヴァカタ選手(3年)の突破力もキーポイントになる。
バックス陣は、球さばきの良さが持ち味の北條拓郎キャプテン(4年)がまとめる。同部出身のシオサイア・フィフィタ選手(日本代表)のいとこで、入学早々FBとして試合経験を積むフィリモネ・サイア選手(1年)にも期待が懸かる。
先日の関西大学春季トーナメントでは、同志社大学に33-41で敗れた。その反省を生かし、「体を当てること」を意識して東海大学戦に臨んだ。
開始5分、谷田親春選手(2年)がトライを挙げると、その後も接点で強さを見せてボールを前へ運び、得点を重ねる。ディフェンスでも奮闘し、相手の素早い展開を防ぐと、その後も天理大学が徐々にリードを広げ、48-20で勝利した。
北條キャプテンは「これまでなかなか勝てなかった東海大学に勝利し、自信につながったと思う。目標である関西リーグ1位奪還、大学選手権優勝に向け、夏はフィジカルの強化に努めたい」と意気込みを語った。