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人間に、おいしいと言うて食べてもろうたら、喜ばれた理で、今度は出世して、生まれ替わる度毎に、人間の方へ近うなって来るのやで。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』132「おいしいと言うて」
キキョウ
8月半ば、父と小学生の長男、姪、甥の3世代6人でハヤ釣りに出かけました。
餌となるハエの幼虫を釣り針に付け、川に放ってしばらく待つと、カラフルな浮きがピクッと動きます。斜めに浮き沈みすれば、魚がかかった合図です。手首のスナップを利かせて竿を上げると、銀色のハヤが川面から姿を現します。餌を付けるのも、魚に触れるのも、どこかおっかなびっくりな子供たちの様子を見ていると、父に連れられ釣りに出かけた夏休みの思い出がよみがえってきます。
掲出のお言葉は、先人たちが取ってきたドジョウ、モロコ、エビなどを甘煮にしてお目にかけた際のものです。モロコはハヤと同じコイ科の淡水魚ですから、お屋敷の近くの川には、あるいはハヤも生息していたかもしれません。
教えの根幹である「元の理」のエッセンスを子供たちに伝えるのは一面、難しくも思えますが、嚙んで含めるような教祖のお言葉の中に、日々の暮らしを通じて教えを伝えるヒントがちりばめられている気がします。
わが家では、釣ったハヤをから揚げや南蛮漬けにして頭から丸ごと頂くので、日ごろ切り身や刺し身でしか魚を食す機会のない子供たちにとっては良い食育にもなっています。「いただきます」「おいしい」の言葉とともに、親神様の恵みに感謝して自然の命を頂く心を育んでいきたいものです。
(榊)