多様な文化にふれる北ペルーの旅へ – 天理参考館
2023・9/13を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
「日本・ペルー外交関係樹立150周年記念 天理ギャラリー第180回展 アンデスのツボ―器で旅する北ペルー― 」から
東京・天理ギャラリー
9月9日~12月2日
天理参考館(橋本道人館長)は、東京・天理ギャラリー(東京都千代田区)で「日本・ペルー外交関係樹立150周年記念 天理ギャラリー第180回展 アンデスのツボ―器で旅する北ペルー― 」を9月9日から12月2日にかけて開催。ペルー大使館や外務省などの後援のもと、ペルー北部地域を対象に古代アンデス造形美術の代表格である土器資料を展示する。16世紀まで文字がなかったアンデス地方では、土器に動植物を立体的に象ったり、神話にまつわる出来事を描いたりすることによって、情報を伝達するメディアの役割も果たしていたという。今展では、“アンデスのツボ”を見ることで、多様な文化にふれながら北ペルーを旅することができる。ここでは、展示資料の一部を紹介する。
鐙(あぶみ)形注口壺(ジャガーとサボテン)
前1200年ごろ~前800年ごろ
高さ27.0㎝
胴部に、サン・ペドロと見なされる2本のサボテンとジャガーと推定される1匹が象られている。双方とも当時の宗教儀礼にとって欠かせない要素とされる
笛吹ボトル(双胴)
前50年ごろ~後300年ごろ
長さ21.5㎝ 高さ14.5㎝
コンゴウインコを象ったと推定される笛吹ボトル。注口から液体を注ぎ入れて揺り動かすことで、音を出していたと考えられている
象形壺(カボチャ)
前1350年ごろ~前1470年ごろ
高さ18.5㎝
胴部に象られたカボチャは、ペルーでは一般に「ロチャ」と呼ばれる。日本の鶴首カボチャに似て、縦長で首部分が曲がっている
把手付き単注口壺(シカン神)
後1050年ごろ~1100年ごろ
高さ22.2㎝
注口基部に、頭飾りをつけ、コンマ状の目をしたシカン神を象っている。シカン神は、ランバイェケ王朝の始祖であったと考えられている
鐙形注口壺(皺顔の人物と魚人間の戦い)
後450年ごろ~700年ごろ
高さ26.5㎝
胴部に、皺顔の人物と擬人化された魚が対峙する様子が描写されている。後者の首が胴体から斬り離されていることから、前者が戦いに勝ったことが分かる
関連イベント
記念講演会
10月7日(土) 坂井正人氏(山形大学教授)
「ナスカの地上絵の調査と解読:リモートセンシングと人工知能」
10月14日(土) 關(せき) 雄二氏(国立民族学博物館名誉教授)
「アンデス文明の遺産を活かす――盗掘を回避するための地域社会との共創」
時間:午後1時30分~午後3時
会場:専修大学神田キャンパス
参加費:無料
定員:200名/当日先着順
天理参考館学芸員による展示解説およびVRゴーグル体験イベント
9月9日(土)、10月8日(日)、10月15日(日)
午前・午後各1回(午前10時~午後零時/午後1時30分~午後3時30分)
要入場券
天理ギャラリー展および関連イベントの詳細は、天理参考館公式ホームページからご確認ください