不登校児への理解を深めて – 「ひきこもり」「うつ」を考える集い
「天理ファミリーネットワーク(TFN)」は8月26日午後、「『ひきこもり』『うつ』を考える集い」をおやさとやかた南右第2棟で開催。ひきこもりやうつを抱える当事者の家族や、おたすけに携わる人など48人が参加した。
この集いは、お道を信仰する者同士が講義や交流会を通じてさまざまなヒントを得るとともに、悩みを共有し、支え合うことを目的に開かれているもの。今回は、公認心理師で臨床心理士の三上仁志氏(此福分教会ようぼく)が「自分らしさへの気づき――不登校への対応を通して」をテーマに講演した。
冒頭、三上氏は不登校児の57%に発達障害があるとされる近年の研究結果を紹介。発達障害と不登校には深い関係があるとして、「自閉スペクトラム症(ASD)」や「注意欠如多動症(ADHD)」などの発達障害の特性について話を進めた。
その中で、発達障害の特徴として、外見からは分かりにくいことを挙げ、周囲から“できないこと”が努力不足と見られがちになると指摘。「当事者にとっては生まれつきの特性(1次障害)であることを理解せずに、叱責や注意を続ければ、不登校などの2次障害へと発展する恐れがある」「発達障害の知識を学び、当事者にとって安心な環境を構築するなど、生活の質を上げるサポートを行うことが不登校の予防につながる」と述べた。
そのうえで、不登校児と実際に向き合う際には、当事者の「“自分らしさ”を積極的に話題にする」ことがポイントになるとして、不登校の原因を追求するのではなく、「いま自分にできることを頑張って」「難しいことや、できないことは頼ってほしい」と語りかけ、相手に寄り添ってもらいたいと呼びかけた。