“文理融合型”大学として再スタート – 天理大学
2023・10/18号を見る
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来年度4月、4学部15学科へ改組
天理大学(永尾比奈夫学長)は9月22日、同大学研究棟で記者発表を行い、来年度へ向けた学部・学科の改組(学部等の設置届出)が同月20日付で文部科学省から認可された旨を公表した。今年度、天理医療大学との統合により「医療学部」を設置した天理大学。来年4月から「人文学部」「国際学部」「体育学部」「医療学部」の4学部15学科から成る“文理融合型”大学として新たなスタートを切る。
今回の改組は、再来年に迎える天理大学創立100周年へ向けた改革の一環として位置づけられるもの。
記者発表の冒頭、永尾学長は、改組の目的が同大学の建学の精神である「『陽気ぐらし』世界建設に寄与する人材の養成」にあることを踏まえ、「利己的、刹那的な思考を克服し、あくまでも“利他的”な姿勢、すなわち『他者への献身』という天理スピリットをもって、現代社会が抱える多様な問題に果敢にチャレンジできる人間を育てていきたい」と抱負を述べた。
新年度、大きく再編されるのは「人間学部」「文学部」「国際学部」の三つ。
「人間学部」および「文学部」は今年、学生募集を停止。両学部を統合して、新たに「宗教学科」「国文学国語学科」「歴史文化学科」「心理学科」「社会教育学科」「社会福祉学科」の6学科から成る「人文学部」に再編する。これは、多様な文化財や史跡に囲まれた同大学の立地を生かしつつ、天理図書館や天理参考館の豊富な文献・資料を活用した教育を行うことで、人文的な教養をベースにした、地域社会を支え、共創できる人材の育成を目指すもの。
また「国際学部」は、六つの学科に再編される。語学を専門とする学科では、「韓国・朝鮮語学科」「中国語学科」「英米語学科」の三つに加えて、「外国語学科」のもとに、タイ語、インドネシア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語、ブラジルポルトガル語の各コースを設置(いずれか一つを選択)。このほか“共生社会”を支える人材の育成を目的とする「国際文化学科」、留学生を対象に日本語と日本文化の知識を深める「日本学科」を置く。
なお、いずれの学部でも従来の「専攻」を「学科」へ名称変更するほか、一部で定員の増減が行われる。
「教養の涵養」を図り
一方で、学部・学科の再編とともに、改組のキャッチコピーである“Knowledge to Act”(他者に貢献する教養を)の具体化に向け、より実践に根ざす「教養の涵養」に重きを置いた、カリキュラムの抜本的な見直しと策定が図られている。
その一つとして、一般教養科目に相当する「総合教育科目」を、「天理スピリット科目群」「基礎リテラシー科目群」「キャリア教育科目群」「一般教養科目群」の四つに再構成。これらと各学科における専門科目との連関を強めることで、学びの可視化を図るとともに、学生の「専門性と社会人基礎力」を同時に育み、社会に貢献していくための素地をつくることを促す。
このほか、計15の学科には、目指す将来像や卒業後の進路・就職先を具体的にイメージしながら学ぶことができる「履修モデル・資格モデル」をそれぞれ設定している。
永尾学長は「今後、学部学科間の横断的なプログラムを充実させるとともに、学生たちが取得できる資格のさらなる拡充も目指す」と話している。
天理大学のホームページから改組に関わる情報が確認できます
https://tenri-u.jp/reorg/