県のボランティア研修で災救隊のノウハウを紹介 – 栃木教区隊
2023・10/18号を見る
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栃木教区隊の副隊長2氏がパネリストに
災害救援ひのきしん隊(=災救隊、橋本武長本部長)栃木教区隊(小林尚実隊長)の副隊長を務める福田順之助さん(46歳・本鹿沼分教会長・栃木県鹿沼市)と若林昭朝さん(38歳・口粟野分教会長・同)は8月31日、宇都宮市とちぎ福祉プラザで開かれた「令和5年度災害ボランティアセンター運営コーディネーター研修【初級】」(栃木県社会福祉協議会主催)にパネリストとして出席。災救隊の理念や出動態勢について詳しく説明した。
この研修は、災害ボランティアセンターを運営するうえでの基本や、多様なセクターとの連携・協働の必要性などを理解し、災害ボランティアセンタースタッフとしての役割を把握することを目的とするもの。
副隊長2氏がパネリストとして招かれた背景には、4年前の「令和元年東日本台風」(台風19号)の救援活動における栃木教区隊の働きがある。
当時、栃木県では計27カ所で堤防が決壊。約2万棟の住宅が床上・床下浸水の被害に見舞われた。こうしたなか、県社会福祉協議会から要請を受けた栃木教区隊は、直ちに教区災害対策委員会を開いて、災救隊本部へ応援を要請。10月29日から11月10日にかけて、特に被害の大きかった鹿沼市へ全4次隊が出動した。
期間中、本部隊をはじめ各地から1360人が出動。床下の泥出しや土砂の撤去、倒木の伐採など、一般ボランティアでは対応が難しいとされる作業に尽力した。
同市社会福祉協議会の地域福祉係長で、同研修の講師も務める齋藤裕嗣さん(48歳)は「災救隊が有する、ボランティアセンターとうまく連携する組織活動のノウハウを学び、今後の災害救援につなげたいと考えた」と、同隊関係者を研修に招いた意図を話す。
普段から災害訓練を重ね
12年前の東日本大震災の際、教区青年会の委員を務めていた福田さんと若林さんは、初めて災救隊隊員として被災地へ赴いた。岩手県にある妻の実家の布教所周辺が被災した福田さんは、このときの経験をきっかけに、災害支援活動に意欲的に取り組むようになったという。
一方の若林さんは「被災地で困っている人に寄り添い、お道の仲間とたすけ合う中で、勇み心が湧いて、災救隊の活動に強く惹かれた」と振り返る。
以来、二人は災救隊の隊員として災害支援活動に積極的に従事するように。現在は副隊長として、災害発生時の出動に加え、機械・器具の取り扱いやロープ結索などの技術の習得、救命救急法など、災害救援に必要な知識や技術を身に付ける訓練にも熱心に取り組んでいる。
また、二人は鹿沼市のボランティア団体「チームかぬま」にも所属。市内だけでなく県外へもボランティアとして赴き、災害支援はもとより、畑仕事の手伝いに至るまで幅広く活動している。
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研修当日、県内各市町村の社会福祉協議会や市役所、赤十字、青年会議所の関係者ら40人が会場に参集。パネリストとして登壇した二人は、災救隊の根本にあるお道の教えを踏まえつつ、災救隊の歴史や活動について、スライドを使って分かりやすく紹介した。
福田さんは「大勢の方々の前でお道の教えを紹介することができて、貴重なにをいがけの機会になったと思う。これからも、ひのきしんの精神で災害救援に取り組みたい」と話した。
一方の若林さんは「今後も大勢の人たちの力になれるよう訓練を重ねていく。私自身の信仰信念を固めるきっかけにもなった災救隊に、恩返しの思いで貢献していきたい」と語った。
(栃木・小林代表社友情報提供)