【AI音声対象記事】
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Q. 人に嫌なことをされた際、悲しみや戸惑いで頭がいっぱいになり、その場で相手に気持ちを伝えられません。あとで怒りが込み上げ、「怒るべきだった」と後悔することも。自分の気持ちを相手にうまく伝えられるようになりたいです。(20代女性)
A. そこで怒らなくて良かったと思います。人が怒るときは、相手の「言動」について非難や不満を表すものですが、つい感情的になるので、相手は「自分」が非難された気になり、人間関係にきしみが生じます。
陽気ぐらしは誰とでも良い人間関係を築くことだと思いますので、問題はあなたの言う通り、「自分の気持ちを相手にうまく伝えられるようになること」です。それにはどうしたらいいでしょうか。
とかく、腹が立って怒るときは、「あなたは間違っている」「(あなたは)私を馬鹿にするな」など、相手を主語にした言葉を使うので、互いに批判し合うことになります。
気持ちをうまく伝えようと思うなら、まずそのときの自分の気持ちを正確に捉えることが大事です。その方法は、「私は……」と、私を主語にして考えてみるのです。すると、「私は、あなたの言葉に悲しくなっている」「私は、あなたの行為がこの場に不適切だと思う」などと、自分の気持ちを正しく捉えることができます。そして、伝えたいことを心の中で一度言ってから言葉にします。
会話は技術です。技術なら訓練で上達します。あとで後悔したときでもよいので、そのときの気持ちを振り返り、どう言えば良かったかを考えて、言い方を練習しましょう。
回答者:古市俊郎(福之泉分教会長・公認心理師)