【AI音声対象記事】
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八ッ やしきハかみのでんぢやで
まいたるたねハみなはへる
「みかぐらうた」七下り目
一昨年の暮れ、2升用の餅つき機を導入しました。餅つき場として利用していたガレージを神殿普請の都合で解体したことに加えて、コロナ禍で人手も確保できなかったためです。蒸す・つくを1台でこなすので、時間はかかるものの、暖かい室内で丸める作業に集中できるうえ、準備と片づけの手間を大きく省けました。
二度目となる昨年末は、つき上がりの見極めに慣れたこともあり、杵つきのようなさくっと歯切れの良い餅に。さらに鏡餅は、丸め方を動画で学んだことで、かつてないほど立派に仕上がりました。年に一度の行事であっても、進歩はあるものです。
そういえば以前に出演したある演奏会で、知っている曲、担当したことがあるパートだからといって、ろくに練習もせず本番を迎えてしまったことがあります。演奏自体はそつなくこなせたものの、終演後の達成感は全くありませんでした。準備をするからこそ、わずかでも成長があり、それがやりがいや楽しみにもつながるのだと痛感したことを覚えています。
月に一度、年に一度、十年に一度、生涯に一度……。長い人生を歩む中でさまざまな機会が巡ってきます。をやに少しでも喜んでいただくために、どのような準備ができるのか。その一つひとつが成人の種となり、やがては、ご守護の芽吹きを頂戴できるのだと思います。
(大塚)