うつに寄り添うヒント接し方の手がかり学ぶ
「天理ファミリーネットワーク(TFN)」は6月26日午後、第1回「『ひきこもり』『うつ』を考える集い」を、おやさとやかた南右第2棟地下2階で開催。当事者家族や、おたすけに携わる人など44人が参加した。
この集いは、講義や意見交換を通じてさまざまなヒントを得るとともに、悩みを共有して支え合うことを目指すもの。今回は3年ぶりに、会場に集っての開催となった。
当日は早樫一男・TFN代表(彌榮分教会彌生布教所長)のあいさつに続き、本部青年で公認心理師の東井申雄氏が、「うつに寄り添う――ユング心理学を手掛かりに」と題して講演した。
まずは自分を見つめ
東井氏は冒頭、心理療法やカウンセリングにおける基礎的理論の一つとして、ユング心理学を紹介。続いて、童話を題材に、「うつ」の人に寄り添っていくうえでの重要な点について話を進めた。
その中で、「うつ」の人の心のありようを解説。「うつ」の人と関わるうえで重要と考えられる接し方の要点として、本人との距離感や、おたすけをする側が無理をしないこと、相手の存在を認めることなどを挙げたうえで、「うつ」の回復プロセスについて詳しく説明した。
続いて、「うつ」を含む困難を経験することは「ユング心理学では『創造のための退行』という言葉で表される」と指摘。これを踏まえるとき、関わる者が無意識のうちに人を型にはめてしまうなどの望ましくない接し方に気づくことも少なくないとして、「うつ」の人のおたすけは、関わる者の心の成人にもつながると語った。
最後に東井氏は、「うつ」の人に寄り添っていくうえで、相手に変わってもらえるように働きかけるよりも、まずは「自分自身を見つめることが重要」と述べて、講演を締めくくった。この後「ひきこもり」「うつ」「当事者家族」「おたすけに携わる人」など、5グループに分かれて話し合いの時間が持たれた。
なお、次回は11月に開催される予定。