天理時報オンライン

相手に親しみと敬意を込め 新たな”良いところ探し”を


若いころ、新聞記者をしていた友人の取材現場に同席したことがあります。そのとき驚いたのは、友人の取材相手への接し方が、初対面とは思えないほど親しげだったことです。和やかな雰囲気のなか、相手の方の言葉に次第に熱がこもり、取材が終わった後は「私は元来、口下手なのですが、上手に話を引き出していただきました」と満足げでした。

友人は「取材相手には、親しみと敬意を込めて接している」と話していました。そして「事前に相手の情報をできるだけ集め、会ったときには、新たな“良いところ探し”をするように心がけている」とも。

これは、良い記事を書くための心得かもしれませんが、なにも取材に限った話ではないでしょう。いつでもどこでも、そんなふうに接する人が増えれば、世の中は今よりもずっと暮らしやすくなるに違いありません。

ちなみに彼は、取材後も長年、相手と親交を続けることが多く、そのうちの何人かは結婚式にも出席してくれたそうです。