国立台湾図書館 論文研究会で優秀賞 – 海外部アジア二課の奥野善雅さん
教会本部の海外部アジア二課で勤務する奥野善雅さん(29歳・津勝分教会ようぼく)は先ごろ、国立台湾図書館主催の「博士・修士論文研究会」で優秀賞を受賞した。
海外部OBの父・善宣さん(64歳・同教会長)の影響を受け、天理大学国際学部で中国語を学んだ。在学中は海外伝道を志す学生グループSATOMに所属し、仲間が熱心に信仰と向き合う姿に刺激を受けた。高校まで地元で生活していた奥野さんにとって、「親里で同世代の仲間と信仰談議に花を咲かせたことは良い経験だった」と振り返る。
3年生のとき、国立台湾師範大学へ留学。卒業後は、善宣さんの勧めで本部勤務を志願し、海外部へ配属された。
海外部では、海外の人たちに教えを伝えるうえから、部員の語学力向上に力を入れており、その一環として留学制度を設けている。
当初、語学力に自信がなかった奥野さんは、留学する気になれなかったという。
そんななか、父親に留学について相談したところ「今のままだと、御用のうえで中途半端になるのでは」と言葉をかけられ、「海外の方々の世話取りをするためには、高いレベルを身に付けなければ」と留学を決意。勤務3年目に台湾の慈済大学で学び、その後、台湾師範大学台湾史研究所で研究に取り組んだ。
修士論文として高評価
奥野さんは、台湾の幼児教育の研究が進んでいないことに問題意識を持ち、「日本統治期における台北幼稚園の歴史」について研究した。
論文では、台北幼稚園を例に挙げ、台湾の幼児教育がどのように発展したのか、その教育に対する時代ごとの周囲の評価はどのようなものだったのかなどを執筆した。
卒業後は台湾伝道庁で勤務。その後、同研究室の教授の勧めで、研究会に投稿した。
国立台湾図書館主催の同研究会は、博士および修士課程の学生を対象とする国内有数の研究発表の場。昨年は95件の論文投稿があった。
奥野さんの論文は、幼稚園での研究成果が事細かに記されていることや、先行研究にない資料を使用していることなどが高く評価され、修士課程の論文の中から、優秀賞に選ばれた。
奥野さんは「まさか自分が、このような賞をもらえるとは思わなかった。この経験を糧として、海外からの帰参者を親里で受け入れる役割をしっかりと果たし、日々の御用に励んでいきたい」と話した。