洞爺湖町と防災協定 – 北海道・室蘭支部
救援・緑化活動等の実績により
北海道教区室蘭支部が令和2年に独自に発足させた「天理教室蘭支部災害対策委員会」(委員長=秦野聖一郎支部長)は2月1日、支部管内の洞爺湖町と「災害時の救援活動に関する協定」を締結した。
これは、同町に位置する有珠山の噴火など大規模な自然災害が起こったときに、同町と連携しながらスムーズな救援活動を行うことを目的に結ばれたもの。当日は、下道英明・洞爺湖町長と秦野委員長(61歳・本登龍分教会長)が調印式に臨んだ。
長年のひのきしんが大きな信頼を築いて
今日の室蘭支部と洞爺湖町との緊密な関係の始まりは、昭和52年8月7日に発生した有珠山の噴火にさかのぼる。
噴火により町中が火山灰の深刻な被害に見舞われるなか、災害救援ひのきしん隊(=災救隊)北海道教区隊は真っ先に被災地へ向かい、復旧作業に取り組んだ。
以後、災救隊は有珠山の麓でのブロック訓練を実施。60年6月には、有珠山で全国総合訓練を行った。さらに北海道教区隊は有珠山の緑化にも尽力。61年からは、北海道教区青年会が緑化ひのきしんを引き継いでいる。また室蘭支部では、同年の「全教一斉ひのきしんデー」から有珠山での植樹を開始。その後も本教によるひのきしんが継続的に展開されていった。
こうしたなか、平成12年3月31日に有珠山が再び噴火。3カ月にわたる避難指示が解除されると、災救隊はいち早く現地入りして復旧作業に従事。約2カ月間にわたって全5次隊が出動、延べ実動人数は2,000人を超えた。
その後も災救隊は、継続的に同地域での訓練や緑化ひのきしんを実施した。
また、20年に開かれた「北海道洞爺湖サミット」の際には、同町から要請を受けた北海道教区が全面協力。サミット関連イベントとして「北海道洞爺湖サミットの森づくり町民植樹祭」を実施するなど、長年にわたるひのきしんによって大きな信頼を築き上げてきた。
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同支部では、災害発生時に迅速に対応する体制を整えようと、3年前に「天理教室蘭支部災害対策委員会」を発足。その後も同町と協議を重ね、このたび「災害時の救援活動に関する協定」の締結が実現した。
調印式の席上、下道町長は「発災時の初動から除灰などの復旧作業、さらには町民が避難所から家に戻り、元の生活に戻るまでの長いスパンでの協力をお願いしたい」と期待の言葉を述べた。
秦野委員長は「協定を結んだことで、町との信頼関係をさらに強くすることができたと感じている。今後、いつどのような災害が起こるか分からないので、あらためて防災・支援の意識を支部内で高めていきたい」と語った。