【AI音声対象記事】
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Q. 小学4年生の娘が同級生をいじめていたことが分かりました。ところが娘には反省の色が見えず、悪びれる様子もありません。そんな娘に戸惑い、受け入れられずにいます。今後どのように娘と接し、更生させていけばいいでしょうか。(40代女性)
A. いま学校では、いじめ根絶に向けて熱心に取り組んでいますから、娘さんも「いじめが悪い」ことは十分知っているはずです。でも、今回のようなことが起きるのはなぜでしょうか。
問題は「いじめ」という言葉の理解が、教師や親と子供との間できちんと共有されているかどうかです。娘さんは同級生に対して嫌な気持ちになったときに、悪口を言ったり、皆でからかったりした覚えはあっても、それが「いじめ」に当たる行為だという認識がなければ、悪いことをしている意識はありません。
「いじめ」の言葉が意味する具体的な内容について、親と同じように子供が理解しているとは限りません。そうした認識のズレに気づいていないと、「反省の色が見えず、悪びれる様子もない」などと、娘さんを悪い子だと決めつけてしまう危険性が出てきます。娘さんは「いじめ」について、正しく理解できていないだけかもしれないのです。
今回の出来事は親としてつらいことですが、親子の大切な経験として受けとめましょう。
この機会に、「いじめ」とは具体的にどういう行為を指すか、そのときの双方の気持ちはどうか、それがどうしてダメなことなのか、小学生にも分かる言葉で教えてやってください。
回答者:古市俊郎(福之泉分教会長・公認心理師)