自身と向き合うなか人生に価値を見いだす – 修養科の四季
2024・1/24号を見る
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第982期 ジェニフェル エラソ メルビスさん
22歳・三重県・津大教会所属
南米・コロンビアの音楽やダンスが好きな明るい家庭に育ちました。しかし、陽気な親や兄弟とは対照的な性格だったせいか、家族からは少し冷ややかな目で見られていました。
心ない言葉を浴びせられるなか、情緒不安定になり、やがて自分自身を憎むように。自尊心を保てず、何年も自分の姿を鏡で見ることができませんでした。
高校卒業を間近に控えたある日。友人たちが天理教コロンビア出張所の話をしているのを耳にしました。後日、ふと気になって天理教について調べてみると、「陽気ぐらし」を目指す教えに興味を持ちました。そして、もっと教えを学びたいと思うようになったのです。
母の友人である信者のAさんが自宅を訪ねてきたのは、そんなとき。不思議な巡り合わせに驚きつつ、早速「天理教のことを学びたい」と伝えたところ、Aさんが知り合いの教友を通じて津大教会との縁を取り持ってくださり、日本へ渡り、大教会でしばらく滞在させていただくことになりました。
その後、教会の御用をつとめる傍ら、教理勉強に励むなか、大教会長から「修養科を志願してみては」と勧められたのです。心の傷が完全に癒えていなかったものの、「おぢばでしっかり教えを学んで自分を変えよう」との思いを胸に、昨春「スペイン語クラス」を志願したのです。
つらい経験を通じて
修養科では、クラスメートと共に教理書を読み深め、ひのきしんに励む中で、新たな気づきを毎日得ることができました。
ある日、先生を交えて自身の過去について語り合う時間がありました。そこで思いきって自身の心の傷のことを打ち明けたところ、幼いころ同じ悩みを持っていたという先生が「人は皆ユニークで、異なる個性を持っている。だからこそ、人と違う自分を憎むのではなく、お互いの個性を尊重することが大切」と優しく諭してくださいました。
このお話を聞いて、これからは他人にどう見られているかを考えるのではなく、「私を見てもらいたい」と思えるように、自分自身と向き合わなければならないと感じました。
以後、そのことを意識して通る中で、次第に孤独感や劣等感がなくなり、自分の人生に価値を見いだせるようになりました。
修養生活も終わりに差し掛かったころ、「みかぐらうた」の授業の中で、「むごいことばをだしたるも はやくたすけをいそぐから」(十下り目六ッ)のお歌が目に留まりました。親神様が身上・事情を見せられるのも、それは世界一れつの人間を一日も早くたすけ上げたいから――。このお歌の意味を知ったとき、「親神様は過去のつらい経験を通じて、私をおぢばへ導いて、成人する機会を与えてくださったんだ」と感じたのです。それからは、身の周りの出来事に不足することなく、何ごとに対しても親神様のご守護に感謝して通れるようになりました。
修養科を了えたいま、かけがえのない仲間たちと共に学んだことを胸に刻み、自分を変えてくれたこの素晴らしい教えを、母国コロンビアで〝難渋〟を抱える人々に伝えていきたいと、決意を新たにしています
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現在も大教会に住み込んで、神様の御用をつとめています。今年4月から、教理を一層深く学ぶため、天理教語学院に入学する予定です。
先ごろ、悩みを抱えるコロンビアの友人にSNSを通じてお道の教えを紹介したところ、出張所へ足を運んでくれました。これからも親神様のご守護に感謝し、自分に自信を持って、教えの実践に努めていきたいと思います。