団体戦初の全国選抜へ – 天理高校囲碁将棋部
2024・2/21号を見る
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天理高校囲碁将棋部は昨年12月、大阪市の囲碁倶楽部「爛柯」で行われた「近畿高校囲碁選手権大会」に出場。女子団体戦で3位入賞し、「全国高校囲碁選抜大会」への初出場を決めた。
同部は「伸び伸びと楽しく取り組むこと」をモットーに、部員の希望に応じて囲碁、将棋のいずれか一つを選び、それぞれが日々の研究と対局を重ねている。
団体戦で主将を務める中森美幸さん(2年)は、小学3年生のころ、親に誘われ囲碁教室へ通うように。中学時代は碁盤から離れたが、天理高校へ進学後、「もう一度、碁石に触れたくて」と同部に入った。
得意な定石は、序盤、周囲に石がない段階で相手の星(碁盤上9カ所の交点)に対して直接、三々(縦横第3線の交点)に打ち込んでいく「ダイレクト三々」。かつては全く想定されない戦術だったが、AI(人工知能)が考案したことで話題を呼び、棋士の間で広く採用されるようになった。
中森さんは、囲碁の魅力を「相手の石を取って自分の陣地を広げたり、自分の作戦がうまくいったりしたときに喜びを感じ、熱中させられるところ」と話す。
教本を片手に定石を覚え、実戦を繰り返してきたという中森さん。諸井克己部長(35歳)は「部には未経験者が多く、団体戦のメンバー3人も、なかなか揃わないが、中森さんがほかの部員に熱心に声をかけ、助言することで大会出場が叶った」と話す。
昨年12月の近畿大会に奈良県代表として出場した同部は、初戦に敗れたものの、その後は3-0、2-1と白星を重ねて3位入賞。初の全国大会出場を決めた。
また中森さんは、同大会の個人戦である「女子9路盤戦」に出場し、3位入賞した。
中森さんは「全国大会に向けて新しい定石も覚えたので、残りの期間で、もっと使いこなせるようにしたい。全国大会は計4戦行われるので、3勝以上の勝ち星を挙げたい」と意気込みを語る。
諸井部長は「出場するからには、できる限り上位を目指してほしいが、まずは全国大会での対局を楽しんで」と話す。
全国選抜大会は、3月19日から東大阪市の大阪商業大学で行われる。