天理時報オンライン

2時のミュージックサイレンの意味は… – 身近で聞いた素朴な問いにWAKUさんがお答えします


イラスト/なんばなつこ

クラブ活動の試合で天理を訪れたという、高校生の保護者に尋ねられました。「午後2時ごろ、商店街のアーケードを抜けたあたりで、突然、街中にミュージックサイレンが鳴りだしたのですが、あれは何の合図ですか?」

ちょうど神殿前におられたのなら、大きな音だったでしょう。ミュージックサイレンが鳴り始めると、歩いている人は立ち止まり、作業をしている人は手を止めて、同じ方向を向いて約1分間も頭を下げているので、何だろうと思われたのでしょうね。みんな、教祖殿のほうを向いて、教祖に拝をしているのです。

午後2時というのは、明治20年の陰暦正月26日、教祖が90歳で現身をかくされた時刻です。それまでの50年間は、人間の手本となる道を自ら通ってお示しになり、お導きくださいましたが、その日からお姿を拝することができなくなり、存命のままご守護を下さるように切り替わったのです。お姿は見えなくても、教祖は今も変わらず、私たちをお守りくださり、お導きくださっています。

なぜ90歳で現身をかくされたのかというと、それは子供である私たち人間の心の成人を促すうえから、身をおかくしになったのだと教えていただいています。

ですから私たちは、教祖に感謝するとともに、それぞれが教祖にお喜びいただけるような心に成人するよう、自分自身のありようを振り返り、教えに沿って陽気ぐらしを目指すことを、あらためてお誓いするひと時になるのだと思います。

午後2時のサイレンは、教祖70年祭が勤められた昭和31年の、3月8日から毎日鳴らされています。そして、その年の7月7日から、教祖が世界たすけのためにお教えくださった、おつとめの地歌である「みかぐらうた」のメロディーを流すようになりました。


西村和久(天理教一筋分教会長)