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旬に桜花を咲かせる力 時間をかけて蓄えよう


毎年、春の訪れとともに、満開の桜が私たちの目を楽しませてくれます。品種によって開花時期は異なりますが、3月から4月にかけて見ごろを迎えます。

では、桜の蕾はいつできるのか、ご存じですか? 蕾の元になる花芽は、前年の夏までに、すでに準備されているそうです。花芽は、秋になると休眠状態に入り、冬の寒気に刺激されて目覚め、成長し、早春の気温の上昇とともに膨らんで、旬に花開くのです。

ある花守は言います。「花を咲かせるにはたくさんのエネルギーを必要とします。木にとって、とても力のいることなんです」と。桜の盛りは、春のわずかなひと時だけですが、散ったあとには葉を茂らせ、秋までひたすら日光を浴びて、目に見えない根に、たっぷりとエネルギーを蓄積しているのです。

美しく咲き誇る花は、長い時間をかけて力を蓄えた賜物。何事も準備を怠らず、蓄えた力を“旬”に発揮することで花開くのだと、桜は教えてくれているようです。