4年ぶり関西王者奪還 – 天理大学ラグビー部
2024・12/18号を見る
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天理大学ラグビー部は11月30日、東大阪市の花園ラグビー場で行われた「ムロオ関西大学ラグビーAリーグ」の最終節で京都産業大学と対戦した。互いに5勝1敗でこの日を迎え、優勝を懸けた大一番となった試合は、チャンスをものにした天理大学が31‐15で勝利。4年ぶりに関西王座を奪還した。天理大学は、リーグ1位で「全国大学ラグビー選手権大会」に出場する。
今年1月、新チームが始動。練習や試合の厳しい場面でも「全員がその状況を楽しむ」との思いを込めて「Enjoy」をスローガンに掲げた。
今春、けが人が多かったことや、U20日本代表チームに中心選手が招集されたこともあり、メンバーが揃わず、「関西大学春季トーナメント」は4位に終わった。この結果を踏まえ、小松節夫監督(61歳)はチームの現状を分析し、秋のリーグ戦に向けてセットプレーの強化に取り組んできた。
迎えたリーグ初戦で摂南大学に22‐7と快勝すると、勢いに乗った天理大学は白星を重ねて連勝街道を走る。
しかし、11月17日に行われた近畿大学との第6節では、後半終了間際のトライとゴールキックで逆転を許し、26‐28で惜敗。今季初の黒星となった。
筒口允之キャプテン(4年)は試合後のインタビューで、「アタックの強い近畿大学を相手に、どれだけディフェンスができるか準備して臨んだが、簡単にトライを許してしまう場面があった。最終節に向けて修正していかなければ」と悔しさをにじませた。
リベンジマッチを制す
最終節の相手は、昨年もリーグ優勝を懸けて最終節で争った京都産業大学。後半のロスタイムで逆転負けを喫した同大とのリベンジマッチとなった。
開始直後にペースを握ったのは京都産業大学。天理大学は何度も自陣ゴールに迫られると、前半11分に先制トライを許す。しかし、その後は気迫のこもった守備で追加点を許さない。
反撃は23分。相手ゴール付近でのラインアウトからモールで押し込むと、ボールを展開して寺西翔生選手(4年)がトライ。さらに35分、再びゴール前ラインアウトからボールを運び、12‐7と逆転に成功した。
前半終了間際にチームの要であるパトリック・ヴァカタ選手(4年)が負傷するアクシデントに見舞われたものの、天理大学は後半に猛攻を仕掛ける。14分、敵陣ゴール付近の混戦のなか、左サイドをフリーで駆け上がってきた平松麟太郎選手(3年)にボールをつないでトライを決め、19‐10と突き放す。その後もトライを重ね、31‐15でノーサイド。4年ぶりのリーグ優勝に輝いた。
小松監督は「選手たちがモールもスクラムも頑張り、こちらのペースで試合を運ぶことができた。きょうも完璧なゲームではなかったので、しっかり修正して大学選手権に臨みたい」と話す。
筒口キャプテンは「前節は勝ちきれるゲームを落としたため、きょうこそは絶対に勝つという強い思いで試合に臨んだ。この結果に慢心せず、大学選手権ではチャレンジャーとして、謙虚にひたむきに、泥臭く頑張っていきたい」と意気込みを語った。
第61回「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の天理大学の初戦は12月22日、三重県鈴鹿市の「三重交通G スポーツの杜 鈴鹿」で明治大学と東海大学の勝者と対戦する。
天理大学ラグビー部は、4年ぶりに関西王座を奪還し、大学選手権出場を決めた(11月30日、花園ラグビー場で)