九ッ こゝまでついてこい
「みかぐらうた」一下り目
ホタルブクロ
支部の青年会の仲間たちと一緒に、大阪から徒歩でおぢば帰りをしました。瑞々しい新緑の山道を歩きながら、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みます。
ところが、道のりを楽しんでいられたのは竜田川での昼食まで。午後には膝裏に少しずつ痛みを感じるようになり、本部神殿に到着するころには、文字通り「足が棒」になっていました。膝が曲がらなくなった足は、まるで2本の松葉杖のように、ぎごちない動きをしています。
車なら1時間で着いてしまう距離でも歩けば半日、1日もの時間がかかります。足も大層疲れます。効率だけを考えれば、なんとも無駄な行為にも見えますが、果たしてどうでしょうか。
我が家が明治35年に入信する際、おたすけに来てくださったある先生が「徒歩でおぢば帰りをされ、三日三夜のお願いづとめをしてくださった」そうです。三日目におさづけを取り次いでいただく際には、お互いに涙が溢れたと伝わっています。
当時の先人たちは、歩いておたすけ先を探し、また歩いておぢばへ帰って、身上・事情の治まりを願っておられたのでしょう。それしか方法がなかったとはいえ、大きな時間と労力をかける姿に真実を感じた人も少なくなかったと想像します。
信仰とは、ゴールは見えているのに、なかなか容易にはたどり着けないものです。徒歩参拝を通じて、地道に一歩を進めること、歩みを止めないことの大切さを学んだ気がします。
(大塚)