松浦悦子(71歳・奈良県生駒市)
6年前、早朝に近所のごみ拾いを始めました。
退職という人生の節目に、これまでの歩みを振り返り、4人の子供たちが独り立ちするまで育てることができた、そのご恩に気づいたことがきっかけです。
何か恩返しをと考えていたとき、ふと頭に浮かんだのは、信仰熱心だった亡き母の姿でした。
まだ私が幼かったころ、母は毎日のようにバス停のごみ拾いのひのきしんに早朝から出かけていました。そんな母の背中を見て育ったからか、自然と「母にならってごみ拾いのひのきしんをしよう」と思い立ったのです。
ひのきしんをする日は、まだ太陽が昇らない時間帯に火ばさみとビニール袋を持って出かけ、自宅近くのバス停を経由するルートで1時間ほどかけて道端のごみを拾っていきます。バス停や道路がきれいになると、この年になっても元気にひのきしんをさせてもらえることへの感謝の心が湧いてきます。
ひのきしんを続ける中で、知らずしらずのうちに母の信仰姿勢を受け継いでいたことに思いが至りました。母への思慕の念が強まるとともに、私も次世代へ信仰を伝えていかなければとの思いを新たにしました。
これからも、子や孫の心にひのきしんの態度を映していけるよう、報恩感謝のごみ拾いを続けていきたいと思います。